江の島道
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江ノ島道(えのしまどう)は旧藤沢宿から龍ノ口を経て江ノ島に至る旧道。また鎌倉街道を小袋谷から分岐し龍ノ口を経て江ノ島にいたる旧道も江ノ島道と呼ばれた。いずれの旧道も江ノ島へ向かう遊山客や地域住民の生活路としてにぎわい、多くの寺社・旧家が立ち並んでいたが、明治時代以降になると鉄道・新道の開通によって廃れていった。現在では要所要所に残されている道標などが往時の姿をしのばせている。この道標の中には江ノ島と深い縁を持つ杉山検校が建てた物も多い。
[編集] 藤沢宿から江ノ島にいたる道
この江ノ島道は旧藤沢宿(現在の遊行寺周辺)から江ノ島までの約1里(4Km)を結ぶ旧道で、龍ノ口までは現在の国道467号とほぼ平行して走っている。
[編集] 小袋谷から江ノ島にいたる道
この江ノ島道は水堰橋(現神奈川県道302号小袋谷藤沢線上)で鎌倉街道(旧道)から分岐し、山沿いの道を深沢を経由して青蓮寺のあたりに抜け、津村・腰越村・龍ノ口を経て江ノ島に至る旧道である。
津村・腰越のあたりは現在の神奈川県道304号腰越大船線とほぼ平行して走っていた事がわかっているが、深沢周辺は国鉄大船工場(現鎌倉総合車両センター大船工場)をはじめ数々の工場の進出により道が寸断され、旧道がどの辺を走っていたかについて正確にはわからなくなってしまっている。
なお青蓮寺付近にある谷戸坂の切り通し(現在は崩落の危険があるため通行はできない)は近世期の姿をそのまま残している。