池田邦吉
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池田 邦吉(いけだ くによし、1947年2月6日-)は、フランスの占星術師ノストラダムスの予言を信じる立場での解釈本を何冊も出している人物である。
東京工業大学工学部建築学科卒業。複数の建築設計事務所や建築関係の企業・社団法人等の勤務を経て、一級建築士事務所アーキコスモを設立。建築関係の著書も刊行した。しかし、ノストラダムス解釈に専念するため、1996年に会社を解散した。その後は「ノストラダムス研究所」(詳細は不明)を設立し、所長となっている。
彼は来日したミシェル・ショマラ(ノストラダムス協会会長)から贈られたノストラダムスの『予言集』の復刻版を使って解釈を行い、自説の正しさを強調していた(ショマラは信奉者ではなく、池田の解釈を支持していたわけでもない)。1995年以降、次々と著書を刊行し、「TVタックル」などにも出演したが、テレビでの言動は失笑を招くことも少なくなかった。レギュラー出演者からは「池ちゃん」と呼ばれ、半ばコメディアンとして扱われていた感もあった。
彼の解釈によると、有名な『百詩篇集』第10巻72番の詩の冒頭の「1999年、7か月」は黄道十二星座で7番目の星座、天秤座の時期(9月23日から10月23日)のことであるとされ、全体は他の詩と読み合わせることで、1999年9月27日にベスビオ火山が噴火する予言としていた。実際には1999年10月17日にベスビオ火山から350km離れたエトナ火山が噴火したが、エトナ火山はその前後にも頻繁に噴火している。
1999年には結局なにもおこらず、ノストラダムス肯定派のほとんどが解釈本の出版から撤退した中で、彼は2000年以降も新しいノストラダムス解釈本を刊行している。いずれの解釈も単なる牽強付会と妄想の産物で、現在まで彼の解釈が的中したためしはない。