波動 (オカルト)
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波動(はどう、英:Vibration)は、サイエンス・フィクション(SF)、オカルト、疑似科学のラジオニクスなどのことである。
サイエンス・フィクションにおける波動は、人類には未知の、原子力を超えたテクノロジーを表す場合が多い。(例:波動砲) 一方、疑似科学における波動は、英語のVibrationの訳語なので、「振動」「エネルギー」などといわれる。
現在の物理学では存在を否定されているエーテルではあるが、古くから人類はその「なにか」に、
と様々な名前をつけ、解明の努力を続けてきた。これらがまったく無意味かというと、必ずしもそうとも言い切れない事象がある。例えば、武術に携わる人は多かれ少なかれ気の流れといった事象を実感するようである。また、ホメオパシーは、ここでいう波動が水に残されたものだという考え方をする。(但し、有効性が科学的(統計的)に立証されていない)
20世紀にこの分野に興味をもった科学者も多い。波動という言葉を一躍有名にする「ラジオニクス」を発明した、アルバート・エイブラムス(Dr.Albert Abrams 1865-1924)は医師である。また、イギリスのジョージ・デ・ラ・ウォー(George De La Warr 1904-1969)は、ラジオニクスを利用したカメラを製作し、未来の写真と主張するものを残している。
本稿の波動は物理学の波動とは何の関係も無く、得体の知れない事象の動作原理として暫定的に呼んでいる名称に過ぎない。 しかし、代替医療に代表される分野において、「科学的なイメージ」があるように見せかけるためや、疑似科学が跋扈する舞台の材料として使われる。 甚だしい例では、物質の原子を構成する電子の動きから出る電磁波である、といった多少物理学の心得があるものには噴飯ものの説明を、無学な者に対して行い、生体電気、ラジオニクス,宇宙エネルギーを利用したといった触れ込みで商品が販売される。 あらゆる科学的な言葉をまぶしているが、そのもたらす結果が治療行為や運の改善というプラシーボ、もしくは事象の羅列に一貫性を見出すパレイドリア(錯覚)を利用したものであることが多く、物理的なエネルギーをなんら生み出さないところが特徴的である。 ごくまれにではあるが、「わからないものすべてを非科学的と決め付けるのも一方的だ」というスタンスで波動測定器や健康器具の研究や機材の販売を行っているところもある。 このように効果の範囲は、健康分野から軍事分野にまで広範囲に及ぶところが、特徴的である。