海苔弁当
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海苔弁当(のりべんとう)とは、海苔を米飯のおかずとして食材に用いた弁当である。
弁当箱に米飯を詰め、その上に醤油などで味付けした板海苔を敷き詰めたものが基本的な形式である。さらに米飯を詰めて海苔が内層部に入ったり、米飯と海苔がそれぞれ複数層をなすこともある。また、板海苔を敷く前におかかか昆布の佃煮またはその両方をまぶすことが一般的である。
海苔弁当が確立した時期は定かではない。構成要素に関して言えば、安土桃山時代に現代と同じ形状の弁当箱が登場し、江戸時代中期に板海苔が作られるようになった。庶民が各海産物を安価に手に入れられるようになってから家庭で広く作られるようになったものと考えられる。阿川弘之は著書において、海苔弁当または弁当箱の代わりに小鉢で製作した同様の食事を「かつぶし飯」として記述しており、他の文筆家も家庭料理の一つとして触れているのが散見される。
1960年代に、温かい出来たての持ち帰り弁当を販売する業者として草分け的存在である「ほっかほっか亭」(通称ホカ弁)が、その創業時に、白身魚フライとちくわの天ぷらを乗せた海苔弁当をメニューに加えて好評を得たことで、商品名としても広く知られるようになった。米を除く食材がすべて日本では身近な海産物であり、販売物としても庶民的な存在、すなわち安価な弁当として定着した。
現在では、多くの弁当販売業者やコンビニエンスストアが販売しており、「のり弁」という略語で親しまれている。多くの業者が製造・販売するようになっても構成食材は上記のものとほぼ同等で、白身魚フライが他素材のフライに代わる程度である。また、福神漬やしば漬けなどの漬物類と金平牛蒡などが添えられている。