湯長谷藩

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湯長谷藩（ゆながやはん）は、陸奥国（現在の福島県いわき市常盤下湯長谷町家中跡。居城は湯長谷城。

[編集] 藩史

元和8年（1622年）に上総国から内藤政長が磐城平藩7万石の藩主として入部した。そして政長の後を継いだ内藤忠興の時代である寛文6年（1666年）、次男の遠山政亮に所領の内、2万石を分与したいと願い出た。そして4年後の寛文10年（1670年）12月、幕府は政亮に対して陸奥磐前郡と菊多郡に1万石を分与することを許し、ここに平藩の支藩である湯長谷藩が立藩した。初代藩主となった政亮は延宝4年（1676年）、湯長谷城の築城、そして城下町の建設に尽力した。その後、政亮は延宝8年（1680年）、内藤忠勝乱心事件を食い止めた功績などを賞されて丹波国氷上郡などに新たに2000石を加増された。さらに貞享4年（1687年）、大坂定番を命じられたことから河内国内に新たに3000石を与えられ、合計1万5000石を領することとなる。ちなみにこのように藩政の基礎を固めた政亮は、「うまれつき悠にして、行跡よし、家臣を助け育て奢ることしない。誉れの将なり」と高く評価されている名君である。元禄6年（1693年）に69歳で死去し、後を遠山政徳が継いだ。

その後、内藤氏は13代にわたって続いた。歴代藩主には嗣子が後を継ぐという事例が少なく、ほとんどが養子によるものであった。藩政においては藩校・致道館の創設の他には見るべきところはない。また、藩内白水村から商人・片寄平蔵により石炭が発見され、後に湯長谷は一大産業地になる礎が築かれた。最後の藩主・内藤政養は戊辰戦争のとき、幕府軍に与して敗れ、1000石を召し上げられて謹慎となった。明治4年（1871年）7月14日の廃藩置県により、湯長谷藩は廃藩となった。

ちなみに内藤（遠山）家と呼ばれる所以であるが、初代藩主・政亮は本家の内藤家に対して遠山姓を称したが、第3代藩主・内藤政貞の代になって内藤姓に復したためである。