準硬式野球
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準硬式野球(じゅんこうしきやきゅう)は、硬式球と軟式球の中間のような球を使う野球である。一般的には軟式野球の一種として発展してきた経緯がある。
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[編集] 特徴
[編集] ルール
硬式野球と同じ(詳細は野球の概要を参照)
[編集] 使用する道具
使用球を除き硬式野球と同じ。
[編集] 設備(野球場)
硬式野球と同じ。
[編集] 使用球
準硬式野球のボールは正式には軟式H号ボールと呼ばれ、硬式球とほぼ同じ中身で、外側の表面が軟式球と同じ合成ゴムでできている。軟式H号ボールの直径は一般的に軟式ボールと呼ばれる軟式のA号ボールと同じ。 (ボールの種類の呼称についてはかつてとは変更されている。登場当初は軟式B号と呼んでおり現在は軟式H号と変更になった。詳しくは軟式野球のボールの種類について参照のこと。)
[編集] 歴史
1948年、これまであった中空のゴムボール(軟式ボール)とは違った、「使用感が硬式ボールに近くて、尚且つ手軽に遊べるボール」を目的に開発に着手し、翌1949年に、握った感覚は従来の軟式ボールと同じながら、打球感が硬式ボールと同じという準硬式ボールが完成した。
この硬式に似た新しい軟式ボールを使用した軟式野球を通称で準硬式野球と呼ぶようになった。 (正確にはいつから準硬式野球と呼ぶようになったのかは不明。)
同年11月に開かれた全神戸選抜野球大会に初めて使用されてボールの性能が認められた。更に翌1950年には、全日本学生軟式野球連盟主催による第二回全日本学生軟式野球選手権大会の公式使用ボールに指定され、その後、全日本学生軟式野球連盟(B号球の部→H号球の部→準硬式の部)から全日本大学軟式野球連盟(準硬式の部)、そして全日本大学準硬式野球連盟主催連盟が改称された現在の全日本大学準硬式野球選手権大会に至るまで使用し続けられている。
このように、大学の軟式野球連盟では早くから準硬式ボールを公認使用ボールに指定してことで、大学では軟式野球と言えば主に準硬式野球の事を表すまでに発展した。
社会人でも準硬式野球の大会はあったが、使用野球場や道具類が硬式と同一であるなどで手軽さや普及度の面など、諸事情により1977年には全国大会としては中止されて現在に至る。関東地区では現在でも準硬式チームによるリーグ戦が幾つか行われているが、全国的な普及としては事実上消滅した。その事で球界内にボール生産会社でボールの生産も中止されるのではという危惧が広まり、それが大学の準硬式野球部を包括していた当時の大学軟式野球連盟の分裂の引き金になった。
[編集] 日本の準硬式野球の主な大会
[編集] 一般社会人対象
※以下の経緯により現在は対象の大会は開催されていない。(チームとしては準硬式も行なうチームは2005年現在でも存在している模様。)
- 1950年 東西両日本においてそれぞれ大会を開催(1964年まで継続)
- 1965年 前年までの東西両大会を発展的に解消し、第1回常陸宮賜杯全日本準硬式野球大会として実施(1977年まで継続)
- 1977年 準硬式野球の全国大会を中止(使用ボール以外は硬式野球扱いのため、練習会場・予選大会会場の確保などに困難をきたした為)。以後は全国規模では準硬式チームは減少していき、関東地区に幾つかのチームが活動しており、関東地区大学準硬式野球連盟の代表との間で、関東地区大学・社会人準硬式野球王座決定戦を11月下旬頃に実施している。
[編集] 大学生対象
- 全日本大学準硬式野球連盟
- 全日本大学準硬式野球選手権大会
- 全日本大学選抜準硬式野球大会
- 全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会
- その他(医科歯科系)
- 東日本医科学生総合体育大会(東医体)・準硬式野球の部
- 西日本医科学生総合体育大会(西医体)・準硬式野球の部
- 全日本医科学生体育大会王座決定戦(全医体)・準硬式野球の部
- 全日本歯科学生総合体育大会(歯学体)・準硬式野球の部
[編集] 高校生対象
なし
[編集] 中学生対象
大阪中学校優勝野球大会(中学校のクラブで準硬式ボールを使用しているのが大阪の90校程度の為)
その他にも、地区ごとなどの選抜チームで大会が開催されている。
[編集] 小学生対象
なし