瀬田の唐橋
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瀬田の唐橋(せたのからはし)とは、滋賀県大津市瀬田の瀬田川にかかる橋。全長260m。滋賀県道2号大津能登川長浜線がこの橋を渡る。 勢多の唐橋とも書く。瀬田の長橋とも言われる。
JRの最寄り駅は、瀬田駅でなく「石山駅」。石山駅から京阪電車・石山坂本線で1駅の「唐橋前駅」が、最も近い。
日本三名橋の一つであり、安藤広重による『近江八景』のうち『瀬田夕照』はこの橋の風景を描いたものである。 また、日本の道100選にも選ばれている。
[編集] 歴史
琵琶湖から注ぎ出る川は瀬田川しかなく、京都防衛上の重要地であったことから、古来より「唐橋を制する者は天下を制す」と言われた。 壬申の乱の際には大友皇子と大海人皇子の決戦場となった。 他にも恵美押勝の乱など幾度も戦場となり、破壊と再建を繰り返した。 藤原秀郷の大ムカデ退治伝説の舞台としても知られている。 現在の位置に橋を移したのは織田信長で、中の島を中継地に大橋と小橋の双橋構造としたのもこの時である。
江戸時代には東海道もここを通った。 江戸時代初期に安楽庵策伝の「醒睡笑」に
武士(もののふ)のやばせの舟は早くとも急がば廻れ瀬田の長橋
とうたわれたことから、急がば回れのことわざがうまれている。 また松尾芭蕉には
五月雨に隠れぬものや瀬田の橋
の句がある。
木造の橋が現在のコンクリート製になったのは1979年(昭和54年)のことであるが、橋の特徴である擬宝珠は歴代受け継がれており、「文政」「明治」などの銘が入ったものも現存する。
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