牛乳豆腐
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牛乳豆腐は牛乳を主原料に用い、加熱したり酢などの凝固剤を加えて豆腐状に固めた食品。 豆腐と名乗ってはいるが豆は使用していない。これは、柔らかく豆腐状の食品を「-豆腐」と呼ぶ為で、杏仁豆腐などと同じ理由である。
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[編集] 概要
分娩後五日以内の牛の初乳は「乳及び乳成分の成分規格等に関する省令(乳等省令)別表ニの(一)の(2)1」によってヒトへの食品利用が制限されており、出荷ができない。この出荷できない初乳を有効利用するために酪農家の間で作られている。
市販されている生乳、牛乳(種類別牛乳)、無調整牛乳、特別牛乳などでも作ることができるが、凝固に必要なたんぱく質などの成分が初乳より薄く、生産性が低い。しかし初乳の出荷には制限があるため、一般に牛乳豆腐という名で市販されている食品は、生乳を主原料として酢などの凝固剤で固めて作られている。
日本では大豆で出来た豆腐と同等に扱われ同様の調理法で食べられるが、牛の乳を凝固させた食品であるため、正確にはチーズの種類に含まれる。特に後述の酸で固める製法はカッテージチーズの製法と類似しており、明確な区別がない。このため、牛乳豆腐を紹介する文章などでは牛乳豆腐(カッテージチーズ)と表記されることもある。
[編集] 製法
[編集] 牛乳のみを使う場合
- 加熱
- 初乳を入れたボールなどの容器を蒸し器に入れ、30分程度蒸すと豆腐状に固まる。電子レンジで加熱する方法や、鍋で煮る方法もある。固まった後、ざるなどでホエー(乳清)と呼ばれる透明な液体を取り除くこともある。生乳は加熱だけでは豆腐状に固まらないため、この製法には不向きである。
[編集] 凝固剤を加える場合
- 酸凝固
- 初乳や生乳を熱した後、酢やレモン汁などの酸を加えると豆腐状の固形物と、ホエー(乳清)と呼ばれる透明な液体に分離する。このホエーをざるなどで濾して取り除くと完成する。牛乳の乳たんぱく質の約80%を占めるカゼインが、酸によって固まることを利用した製法である。
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