特命全権公使
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特命全権公使(とくめいぜんけんこうし Minister Extraordinary and Plenipotentiary)とは、外交使節団の長の上から2番目の階級であり、接受国の国家元首に対して派遣される(最上位は接受国の国家元首に対して派遣される特命全権大使、第3位は接受国の外務大臣に対して派遣される代理公使)。
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[編集] 概要
日本の場合、特命全権公使は在外公館たる公使館の長(在外公館長)であり、特別職の国家公務員かつ外務公務員である。しかし、現在では日本国公使館は全て大使館に昇格しているので、このような意味での特命全権公使は存在しない。現在では、大使館の次席館員を単に「公使」と呼び、その内年次が一番上の数名に「特命全権公使」の名称を付与している(従って、特命全権公使が配置されている大使館は年によって異なる)。
[編集] 呼称
一般的には略して公使と呼ばれる。 なお、参事官の名称を用いる者のうち、特に対外的に「公使」を名乗ることを許された者を「名称公使」又は「公使参事官」という。
[編集] 任命
日本の特命全権公使の任免は、特命全権大使の場合と同じく、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する(認証官)。また、特命全権公使の信任状及び解任状は、天皇がこれを認証する。
[編集] 待命公使
日本国の特命全権公使は、特命全権大使と同じく、在外公館に勤務することを免ぜられたときは、新たに在外公館に勤務することを命ぜられるまでの間、待命となる(待命公使。待命になると給与が2割カットされる)。但し、特別の必要がある場合には、外務省本省の事務に従事させることができる(臨時本省事務従事)。
[編集] 信任
特命全権公使は、接受国の元首に対し、派遣国の元首が派遣する。その際に派遣国の元首から信任状が託され、公使が接受国の元首に提出する儀式を信任状捧呈式という。
[編集] 職務
派遣国政府を代表するもので、接受国との外交交渉、条約の署名調印、滞在する自国民の保護などの任務を行なう。