甲虫王者ムシキング～ザックの冒険編～

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『甲虫王者ムシキング～ザックの冒険編～』は、「甲虫王者ムシキング」をモチーフに月刊コロコロコミック、及び別冊コロコロコミックで連載している漫画である。作者はおおせよしお。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] あらすじ

大いなる世界デカイヤに、はるか古（いにしえ）から伝わる伝説があった。「インセク島の天樹に登るべし。さすればその身に神の力が宿り、甲虫王者になるであろう…」

おたからを求め世界を駆け回る財宝ハンター・ザックは、おたから探しの途中ふとしたことから侍甲虫・カブト丸と出会う。カブト丸はザックに「せっしゃをインセク島の天樹へ連れて行って欲しい」と頼む。カブト丸もまた、古から伝わる甲虫王者（ムシキング）伝説を追う甲虫の一人だった。ザックは甲虫王者伝説にあまり関心を示さなかったが、カブト丸をおたから探しに利用できると打算し、旅をすることを決めたのだった。

ザックとカブト丸の凸凹コンビの、ムシキングを目指す冒険が始まった。

[編集] 登場人物

[編集] 【主な登場人物】

ザック

主人公。世界を旅する財宝（トレジャー）ハンター。世界一の財宝ハンターになることを夢見、エデンシア到達を目指す少年。年齢はおそらく１０代前半だが、その年齢にしては打算的で、かつ天邪鬼な性格。頭の回転も早く、卓越した洞察力を持っており、それは経験の薄いムシバトルでも大いに発揮されている。「王者の証編」で、本名がザック＝コバーンであることが明かされている。父は優秀な冒険家として知られている「O・ヴァン＝コバーン」。ザックは母親の死から、父O・ヴァンを嫌悪しているが、幼少時の父との思い出は、今も強く心に刻まれている。今でも父を許す理由を探し、心の中で葛藤している様子も窺える。挙動にツンデレ的要素も見え隠れしている。名前の由来は「（大判小判）ザックザク」「ざっくばらん」から。

カブト丸

もう１人の主人公。ムシキングを目指す、ヒノデ村出身の侍甲虫。種類はカブトムシ。ツノに×印の「紋章」が刻まれている。ムシカードに閉じ込められた状態で川を流れている所を、ザックに救われる。熱血漢で曲がったことは許さない性格で、それゆえ他人事にも積極的に首を突っ込むが、ザックのフォローが無い場合、殆ど返り討ちに遭ってしまう。「王者の証編」でヒノデ村へ帰郷した後からは、戦闘・性格ともにヘタレ化が進行している。好物はスイカで、ザックにごほうびとして振舞われたときは涙を流して喜んだ。ナゲわざを得意としており、超必殺わざはナゲわざの「トルネードスロー」。

ヤイバ

カブト丸の第一の家来にして、無二の親友。種類はノコギリタテヅノカブト。アリノスの迷宮で鎖につながれていた所を、ザックに救われる。メッサーノにより暗黒化された影響で、記憶喪失になっていた。天樹に押しつぶされ消滅したかと思われたが、天樹の頂でメッサーノに操られる形で再登場。カブト丸と戦わされたが、カブト丸の紋章の力の前に倒され、メッサーノから解放された。しかしそれがきっかけで本来の性格が浮き出始め、やや感情的で一言余計な「かませキャラ」としての地位を確立してしまう。超必殺わざはナゲわざの「サイドロックボム」だが、「王者の証編」からは一度も発動していない。

バラン

元【甲虫騎士団】所属のムシマスター。圧倒的な強さを持つことから、巷では【処刑人】と呼ばれ恐れられている。港町でムシマスターに襲われていたザックを救った。ザックとの初対面時の印象はかなり悪かったが、船上での海賊たちとの戦い、アリノスの迷宮での戦いを経て、少しずつだが「ムシマスター」のザックを認めつつあるようだ。ザックをライバルと意識しながらも、時にザックにささやかに救いの手を差し伸べる。が、引き際を見極めており、天樹の頂での戦いには介入せず、バレット・カエデとともにバトルの行方を静かに見守った。パートナーはブルマイスターツヤクワガタの「ブルックス」。名前の由来は「ざっくばらん」から。

ブルックス

バランに仕える甲虫。種類はブルマイスターツヤクワガタ。紳士的な性格。超必殺わざはハサミわざ「クロスダイブ」。わざカードの力に頼らずとも圧倒的な力を持つ。

バレット

ムシキングを目指し、天樹の最頂部付近に到達した際にザックと遭遇したムシマスター。女性に優しいナイスガイがポリシーのオッサンだが、実際は色ボケでややスケベ。だが色仕掛けには強かったり、どんなに美人が居ても女房以外には心を動かされないなど、意外なところで芯が強い人物である。どうやら牧場を経営しているらしい。対人の喧嘩も強く、天樹の頂の城に巣食っていた暗黒ムシマスターをタコ殴りにし、ザック達と「王者の証編」で再会、共闘した際には、ゼノン帝国の兵士相手にドロップキックをお見舞いしていた。相棒はゴホンヅノカブトの「リボルバー」。

リボルバー

バレットの相棒。種類はゴホンヅノカブト。喧嘩っ早い性格。女性に鼻の下を伸ばすバレットに時折呆れる様子を見せる。超必殺わざはダゲキわざ「ダンガン」。

カエデ

ムシキングを目指し、天樹の最頂部付近に到達した際にザックと遭遇したムシマスター。本編では非常に貴重な女性キャラクター。（現に、現在まで名前付きの女性キャラはカエデを含め３名しか登場していない）強かだが女性らしい一面も見せる。が、「王者の証編」での再登場時は、パートナーであるヒメカブト・「コダチ」もドン引きするほどのキレっぷりを発揮した。天樹の突風の間では「行方不明の兄を探しに来た」と言い、男性陣の同情を誘って仕掛けを突破した。しかし単行本６巻描き下ろし「カブトム新聞」の個人告知コーナーでは「行方不明の兄を探しています」という内容の投稿も寄せていることから、あながち嘘ではないことがわかる。しかしバレットからは「ウソこけこの女」と罵られている。バレット曰く「下着は白」らしい。

コダチ

カエデのパートナー。種類はヒメカブト。温厚で素直な性格。「王者の証編」ではＭｒ．？の素顔に驚愕し、カエデの気迫にドン引きしていた。超必殺わざはダゲキわざ「ハヤテ」。

[編集] その他の登場人物

[編集] 【天樹編（１巻１話～４巻４話）】

ゴーダッツ（１巻１話，６巻３話）

クヌギ村を襲った野盗。手下２人とグランディスオオクワガタを従えている。カブト丸に倒されたが、「王者の証編」では幽霊姿で再登場した。が、ザックとカブト丸、そしてフェルナンデスの甲虫ゼニーに撃退された後、成仏した。

ランスロット（１巻２話）

森の番人を名乗るムシマスター。相棒はグラントシロカブトの「シロ」。口癖は「大事なのは結果ではなくやってみようとする心意気」。元ゼノン帝国の兵士だったのだが仲間とはぐれてしまい、それからはムシたちと森を守る番人として過ごしている。ザックにわざカード「ダンガン」を借りぱくされた。

ジョーカー（１巻３，４話）

砂漠を旅するザックたちの前に現れた、ムシカード収集家（コレクター）。青いヨロイと王者の紋章を持つ珍しい甲虫であるカブト丸を狙い、ムシバトルを仕掛けてきた。

オニール（１巻６話）

アリノスの迷宮の入り口を守っている、第１の門番。オカマ。相棒はマキシムスマルバネクワガタの「マックス」。

オニルバ（２巻２話）

アリノスの迷宮の第３の門番。本編では非常に貴重な女性キャラクターの１人、だがオバサンである。オウゴンオニクワガタの「ゴルドー」がパートナー。

執事（２巻３話）

アフォーナ城の執事。最強甲虫決定戦の出場者を募る。

アフォーナ（２巻３話）

インセク島にあるアフォーナ城のお子様王子。強い甲虫のムシバトルを見るのが好き。実兄セコスギーに王座を狙われていた。

セコスギー（２巻３話）

アフォーナに王位を奪われ、復讐を誓ったムシマスター。コガシラクワガタの「リトルヘッド」を操り、最強甲虫決定戦を利用し王座を奪おうとしたが、ザックのずる賢さの前に敗北した。

スティーブン（２巻５，６話）

ザック達を始末する為、メッサーノが雇った殺し屋。暗黒甲虫のサビルを操る。ウーロ鉱山に向かうフロンティアライン鉄道に乗り、ザック達を追い詰めた。ザックとカブト丸の知恵を生かした攻撃に敗れたが、バトルに負けてもムシマスターを始末しようとザックを崖から突き落とした。その後は用済みになり、メッサーノに始末された。

ガーメッツ（３巻１話）

シロップ村のハチミツとお宝レインボーフラワーを奪い、ボロ儲けしていたムシマスター。相棒はスペキオシスシカクワガタの「マダラ」。レインボーフラワーを奪還しにきたザックとカブト丸に敗れた。

クロウ（３巻４，５，６話）

ムシキングを目指し、天樹の最頂部付近に到達した際にザックと遭遇したムシマスター。バレット・カエデよりも先に登場したにも関わらず、突風の間でかませ化してあっけない最期を遂げた。

メッサーノ（２巻４～６話、３巻３～５話、４巻１～４話、５巻番外編）

暗黒化されたパラワンオオヒラタクワガタを操る暗黒ムシマスターで、【天樹編】の黒幕。偽りのムシキング伝説を世に広め、「紋章持つ甲虫」が天樹に辿り着くのを待ち続けていた。カブト丸のムシマスターであるザックを始末する為にスティーブンをけしかけたが、途中で考え方が変わったのか、最終的にザックの命を救い、用済みとなったスティーブンを始末した。ザックの前に最初に姿を現した際、イヤサレ草を探しに来た医者と名乗っており、ザックも彼を「医者の先生」と呼んでいた。まだカブト丸とヤイバが幼かった頃、暗黒ムシマスターの集団を率いてヒノデ村を攻め、「力の石碑」を奪った。数年後、成長したヤイバが力の石碑を奪い返しに来た際、ヤイバを倒し暗黒甲虫化してしまった。ザックとカブト丸が天樹の頂に辿り着き、紋章持つ甲虫であるカブト丸を暗黒甲虫化し、「地上最強の生命体」を作りだす願望を実現させるべく、暗黒化したヤイバを使いカブト丸に勝負を挑んだが、ザックとカブト丸の絆と紋章の力の前に敗北、奈落の底に落ちていった。だが、彼がヒノデ村から力の石碑を持ち出したことにより、世界のバランスが崩れてしまった。メッサーノが謀らずも起こしてしまったこの事態は、【王者の証編】にも大きく関わっていくことになる。

[編集] 【王者の証編（５巻１話～）】

ドナテルロ（５巻３話）

「ノヴァの日記」を奪う為ヒノデ村を攻めた、ゼノン帝国甲虫兵団の小隊長。ザックに取引を持ちかけられたが応じず、返しわざを得意とするヒルスシロカブトのヒルスで応戦したが、返しわざをさらに返される形で敗北した。

クレッシェンド（５巻４話）

ザック達が「クモノーウェン」で出会った吟遊詩人。美しさにこだわりを持っている。自称、「この世で最も強く美しいムシマスター」。王者の証を求め、ザックたちの後をひそかにつけていた。クワガタをモチーフとした竪琴を持っている。相棒はインペリアリスツヤクワガタの「フォルティシモ」。

ギル（６巻１話）

ゼノン城の地下牢に捕らえられていた怪盗。ムシカードを没収され死刑を待っていたが、ゼノン帝国参謀ワルージェが提示した要求を呑み、釈放された。その後、商業都市ブッカに潜入し、ザックが持つ王者の証とノヴァの日記を奪う機会を窺っていた。一時は盗み出すことに成功したが、ザックの推理力に破れ、さらに奪い返されてしまった。手ぶらで帝国に帰還したギルはゼノン１３世とワルージェに見限られ、再び牢獄行きとなってしまった。素早さが自慢のファブリースノコギリクワガタ「スティール」が相棒。

バッサイ（６巻２話）

アルキデスオオヒラタクワガタの「アックス」とともに、荒廃が続くメガデルの森の守り神「千年樹」を守るため木の手入れをしている木こり。ノヴァの日記に崩壊を免れるには千年樹を倒すべしと記されていたため、ザックは渋々木を倒す決断する。千年樹を守るためにアックスがカブト丸の前に立ちはだかるが、敗北。しかし倒れた千年樹の種はすぐに芽吹き、元の青々とした姿を取り戻した。