甲虫王者ムシキング
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ジャンル | トレーディングカードゲーム |
対応機種 | アーケード(NAOMI) |
発売元 | セガ |
稼働時期 | 2003年1月21日 |
甲虫王者ムシキング(こうちゅうおうじゃムシキング)は、セガによる、トレーディングカードゲーム方式のアーケードゲーム。通称「ムシキング」。よく「昆虫王者ムシキング」と誤表記される。
目次 |
[編集] 概要
2001年に開発を開始。2003年1月21日よりアミューズメント施設に登場。100円玉硬貨を入れると「ムシカード」または「わざカード」が1枚払い出され、その後ゲームプレイが始まる。カードの詳細についてはムシキングカードを参照。
使用マザーボードは、初期型はNAOMIだったが、後期型はラブandベリーや恐竜キングと共通の専用基板となった。本体起動時の画面やゲームスピード等に若干の差はあるが、ゲーム内容そのものに違いはない。
[編集] 対戦ルール
- 基本はジャンケン(時間制限あり)で、勝つと相手の体力にダメージを与える。先に相手の体力を0にした方が勝者となる。
- プレイヤーは、戦うムシを決める「ムシカード」、グー・チョキ・パーに技を設定する「わざカード」を組み合わせてデッキを作り、CPUもしくは有人対戦を行う。
- ムシ毎にグー、チョキ、パーのいずれかが「必殺わざ」に設定されており、必殺わざで勝つとより多くのダメージを与えることができる。
- ムシとわざの組み合わせによっても与えるダメージ量が異なるため、そのムシにあったわざを組み合わせることがゲームのポイントの一つである。
- 元々持っている体力はムシによって異なる。体力値と「テクニック」(高度なわざを使う能力)の値は相反する設定となっているが、一般的には体力値の高いムシが強いとされ、多用される傾向にある。
[編集] ムシキングブーム
ムシキングは幼稚園~小学校低学年の男児を中心に異常なほどヒットし、ブームを巻き起こした。ムシキングが無いアミューズメントスペースは無いといえる程普及し、漫画化・アニメ化のみならず映画化、果てにはムシキングをモデルにした覆面レスラーまで登場した。
基本的に男の子向けのカードゲームであるが一部のオシャレ魔女 ラブandベリーがないアミューズメントコーナーでは女の子もムシキングをプレイすることがある。
このヒットした要因の一つとして、カードのコレクション性に加え、キャラクターをカブトムシやクワガタムシなどの甲虫にしたことが挙げられる。これにより父親がかつて経験した昆虫同士の対決や昆虫採集の記憶と憧れを呼び起こし、子供のみならず父親までも巻き込んだブームとなった。
こういったキッズ向けゲームのターゲットは、デパートのアミューズメントコーナーに来る家族連れの子供層などである。この年齢層では、子供が自分の意志で自由に出費することは考えにくく、たとえ子供が気に入っても親が好感を持たないと(特に経済的な問題で)継続的にプレイされることは難しい。そこで、親が子供時代に経験したり憧れたりしたものを題材にすれば、子供がゲームすることに支持を得やすく、更には推奨する状況もあり得るのでは、という見込みで開発されたのがこの「ムシキング」である。この予測は見事に的中した。
更には、子供たちも都市化などにより身近に接する機会が無かった「虫のかっこよさ」に魅せられたことや、昔からベーゴマやメンコなどで行われていた男児の勝負遊びへの普遍さも挙げられる。 これらのためか、ムシキングブームは一過性のものに留まらず、現在でも続く息の長いものとなっている。
このムシキングのヒットにより、「子供たちに『昆虫はバーチャルの世界のもの』という間違った概念を植えつけてしまうのではないか」と心配されたこともあったが、そのような心配とは裏腹に、子供たちが実際に昆虫を飼うことも流行した。このため昆虫ショップは繁盛したが、子供らが普通のカブトムシなどよりゲーム中で強いヘラクレスオオカブトなどを嗜好するため、これらの乱獲や放逸による生態系の破壊が問題視もされている。
更にムシキングヒットの余波だが、トリビアの泉など全国区でのTVでリアルムシキング企画などとして甲虫対決が放送されたり、それまでは購入者がマニアのみだった甲虫対決のビデオが桁違いに売れるようになったり、お祭りなどのイベントとして甲虫対決も多く企画されるようになっている。
プロレスリング・ノアが協力しており、それがきっかけでプロレスラー、ムシキング・テリーが誕生した逸話もある。詳しくは後述。
[編集] ビジネスモデル
ムシキングの筐体は販売されず、セガから無料で店舗にレンタルされ、カードの売上代金でコストを回収するシステムとなっている。設置に際し店舗側は数十万円単位もする筐体を購入するための大きな投資が必要ないことが、設置台数の多さにつながっている。GMSなどのショッピングセンターやコンビニエンスストア、個人営業の店舗など、地元の子供たちが気軽に立ち寄れる身近な場所に置いてあることが多い。
[編集] データ
- ムシキングのカードは、レアカードを含んだ200枚を1パックとし、計4パック800枚を1単位として出荷している。(全てのパックのカードの並び順は同じとは限らない)これを店舗でシャッフルせずにそのまま筐体に補充していく。
- 2005年11月末現在、ムシキングの筐体の設置台数は全国5,800店舗に11,100台。
- 2006年9月末現在、ムシキングカードの累計出荷枚数は3億9800万枚。(セガ発表)
[編集] 漫画
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[編集] アニメ
『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』(こうちゅうおうじゃムシキング もりのたみのでんせつ)というタイトルで、2005年4月6日から2006年3月29日までテレビ東京系列毎週水曜日18:00 - 18:30にて放送された。全52話。
[編集] キャスト
- ポポ(声優:宮原永海)
- パム(声優:宍戸留美)
- ソーマ(声優:野島健児)
- チビキング(声優:TARAKO)
- セラン(声優:皆口裕子)
- ビビ(声優:高木渉)
- バビ(声優:荘真由美)
- ブー(声優:楠見尚己)
- ペレ/デューク(声優:五代高之)
- ピア(声優:詩乃優花)
- パサー(声優:チョー 旧名:長島雄一)
- チョーク(声優:木内レイコ)
- グルム(声優:上別府仁資)
- アダー(声優:佐藤正治)
- デー(声優:西川幾雄)
- プゥ(声優:金丸淳一)
- セレス:葛城七穂
- ルーネ:磯辺万沙子
- ササラ:京田尚子
- ドアン:筈見純
- トット:園部啓一
- チッチ:浅野真澄
- ピッピ:松本美和
- マグ:丸山詠二
- ミルテ/ルル:西村ちなみ
- マーシャ:篠原恵美
- ノロ:真山亜子
- リンダ:山像かおり
- ジャイロ:竹内順子
- ニール:金城綾乃
- カイ:小村哲生
- ミル:久保田民絵
- モニカ:鈴木れい子
- ヴィゴ:くまいもとこ
- アイリス/フラウ:川上とも子
- ラミア:幸田直子
- ジジ:青野武
- シュリ:吉田小南美
[編集] スタッフ
- 原案:SEGA『甲虫王者ムシキング』
- 企画:ムシキングプロジェクト
- エグゼクティブプロデューサー:植村比呂志
- シリーズ構成:吉田玲子
- キャラクターデザイン:馬越嘉彦
- 3D昆虫デザイン:本田稔裕
- 総作画監督:依田正彦、伊本龍守
- 美術監督:坂本信人
- 色彩設計:海鋒重信
- 撮影監督:高橋圭祐
- 編集:田熊純
- 音楽:和田薫
- 音響監督:吉田知弘
- 効果:野口透(アニメサウンド)
- 録音調整:佐竹徹也
- 録音助手:藤島純一
- 録音スタジオ:東京テレビセンター
- 録音プロデューサー:塚田政宏
- 録音制作:楽音舎
- 音楽プロデューサー:桜井裕子
- 音楽制作/協力:ビクターエンタテインメント JVCエンタテインメント・ネットワークス 東京音楽工房 TV TOKYO MUSIC
- キャスティングディレクター:小浜匠(東映アカデミー)
- アソシエイトプロデューサー:梅村宗宏、吉岡昌仁
- プロデューサー:紅谷佳和→細谷伸之(TV TOKYO) 上田和成(読売広告社) 小島哲(TMS)
- 監督:山内重保
- 制作協力:アクタス スタジオアド
- 製作:TV TOKYO、読売広告社、トムス・エンタテインメント
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- エンディングテーマ
- 『Let's HappiecE Life!』(歌:3B LAB.☆、作詞・作曲:岡平健治、編曲:3B LAB.☆)(2005年4月6日第1話~2005年6月29日第13話)
- 『ムシキング・サンバ』(歌:カオリ&ムシキング・アミーゴス、作詞:亜蘭知子、作曲:OZA、編曲:森村献、振付:KABA.ちゃん)(2005年7月6日第14話~2005年9月28日第26話)
- 『think twice』(歌:FUZZY CONTROL、作詞・作曲:JUON SATOKO JOE、編曲:FUZZY CONTROL)(2005年10月5日第27話~2005年12月28日第39話)
- 『HIKARUステージ』(歌:ハレンチ☆パンチ、作詞:H☆P、作曲:MIU、編曲:Rockmore)(2006年1月4日第40話~2006年3月22日第51話)
- 挿入歌
- 『森の夢』(歌:パム(宍戸留美))
[編集] 放送時間
- テレビ東京系以外のネット局の放送時間
- 青森テレビ(毎週土曜 9:30~10:00)
- 仙台放送(毎週日曜 9:30~10:00)
- 山形テレビ(毎週日曜 6:30~7:00)
- びわ湖放送(毎週火曜 17:25~17:54)
- 奈良テレビ(毎週火曜 6:00~6:30)
- 広島ホームテレビ(毎週火曜 16:20~16:50)
- 長崎国際テレビ(毎週金曜 15:55~16:25)
- くまもと県民テレビ(毎週日曜 7:30~8:00)
- 琉球朝日放送(毎週日曜 6:30~7:00) 39日遅れ
- 鹿児島テレビ(毎週月曜15:55~16:25→毎週月曜16:25~16:55、2005年10月から2006年4月までの約半年間放送。『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』と『きらりん☆レボリューション』のつなぎ番組という扱いだった)
[編集] コーナー
エンディング後に、ネブ博士とブラック博士による解説コーナーである「ムシキング教室」が放映されていた。
[編集] 家庭用ゲーム
- 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道~(ゲームボーイアドバンス)
- 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道DS~(ニンテンドーDS)
- 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道2~(ニンテンドーDS)
[編集] 映画
- 劇場版 『甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道』(2005年12月公開)
- 家庭用ゲームのストーリーをベースにしており、TVアニメのストーリーとは無関係。
- 同時上映:『劇場版超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』
- 『甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~』(2007年3月21日水曜・祝公開)
- 同時上映:『オシャレ魔女 ラブandベリー しあわせのまほう』
[編集] 劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道
- キャスト
- 未来ケント(声優:くまいもとこ)
- 夢野アイ(声優:神田朱未)
- 溝呂木シロー(声優:福田沙紀)
- 未来健太郎(声優:山口智充(DonDokoDon))
- 主題歌
[編集] 甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~
- キャスト
- ゲスト声優
[編集] プロレス
ムシキング・テリーが、2005年7月18日にプロレスリング・ノアマット(東京ドーム)でデビューした。 セコンドにはネブ博士がつき、対戦相手のブラックマスクことムシキング・ジョーカー(こちらのセコンドにはブラック博士がついた)に勝利した。 なおこの日はノア選手中心による他9試合が行われたが、所属選手の鈴木鼓太郎の名前がエントリーされていなかった。現在も鼓太郎が出場しない日にはテリーが出場している。
このムシキング・テリーを目当てにプロレス観戦に来る子供も多いなど、子供からの人気は高い。佐々木健介や鈴木みのるなど、自身の子供もムシキング・テリーのファンであるプロレスラーもおり、佐々木はムシキング・テリー相手の試合は板ばさみで非常にやりにくいとバラエティ番組などで語っている。
[編集] 類似作問題
セガは、韓国D-Gate社が開発しタイトーが日本向けにローカライズした類似ゲーム『ダイノキングバトル』がムシキングに関する特許(ジャンケンバトル)を侵害しているとして、タイトーに対し発売中止を求める仮処分を2005年11月4日に東京地裁に申請していたが、セガ・タイトー両社の間に和解が成立したため2006年3月7日付で仮処分申請を取り下げている。和解条件は公開されていないが、ダイノキングバトルの販売は従来どおり続けられるとのこと。
現在はバンダイも類似商品を『データカードダス』(ドラゴンボール、NARUTO、デジタルモンスター)として展開している。他にも『オシャレ魔女♥ラブandベリー』を意識していると思われる『キラキラ アイドルリカちゃん』『きらりんレボリューション ハッピーアイドルライフ』等がある。特にドラゴンボールは飛躍的に売り上げを伸ばしているが、いずれに対してもセガの対応や見解は出ていない。
[編集] 関連項目
- オシャレ魔女♥ラブandベリー - ムシキングと同種の筐体を使用した女の子向けのアーケードゲーム
- 古代王者恐竜キング - ムシキングの恐竜版。2005年9月より展開中。
- 昆虫相撲
- そだてて!ムシキング - 自分で育てる育成ゲーム
- 絶対可憐チルドレン - 「甲殻王者カニキング」というパロディが登場した。
- ハヤテのごとく! - メインヒロインが購入。原作者の兄がセガ社員のために伏字が無かった。
[編集] 外部リンク
テレビ東京系 水曜18:00枠 | ||
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スターシップ・オペレーターズ | 遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX (18:30から枠移動・ 以後アニメ530枠の第2枠) |