男性学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
男性学(だんせいがく、Men's Studies)とは、上野千鶴子の定義によれば「女性学を経由した男性の自己省察の学問」を意味する。フェミニズム、女性学に刺激されて1990年代に本格的に登場した新しい学際的な学問領域である(上野千鶴子『差異の政治学』)。ただし近年は、必ずしも女性学の成果を前提としない研究も出てきている。男性性研究(だんせいせいけんきゅう、Masculinity Studies) と呼ばれることもあるが、この場合、研究の担い手は男性に限らないことが多い。
世界的には、オーストラリアの社会学者ボブ・コンネルが名高い研究者である。日本では、団塊の世代に属する社会学者の伊藤公雄がパイオニア的研究者である。日本では、大学に男性学の講座が皆無に近いために研究が遅れているが、今後発展が期待される研究分野である。
目次 |
[編集] 関連項目
[編集] 参照文献
[編集] 日本語の入門文献
- 伊藤公雄 『「男らしさ」のゆくえ ー 男性文化の文化社会学 ー』 新曜社 (1993年)
- 伊藤公雄・国信潤子・樹村みのり『女性学・男性学 ー ジェンダー論入門 ー』 有斐閣 (2002年)
- 熊田一雄 『“男らしさ”という病? ー ポップ・カルチャーの新・男性学 ー』 風媒社 (2005年)