真性多血症
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真性多血症(しんせいたけつしょう:polycythemia vera)とは血液中の赤血球をはじめとした血球等が異常に多くなる病気(多血症)の一種で、赤血球系幹細胞の異常増殖によるとされるものである。 診断基準は以下の通りであるが、EPO(エリスロポイエチン)が上昇しておらず1)、3系統の血球が増加していれば診断できるが、近年では新しい診断基準も提唱されている。EPOの正常下限ないし低下,過形成骨髄,酸素分圧の正常が診断の参考。赤血球量増加で相対的赤血球増加症(ストレス多血症など)を除外する。EPOが高値でないことから二次性赤血球増加症を除外する。発症年齢は主に成人であるが、時に幼年の場合もある。2)
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[編集] 診断基準
真性赤血球増加症の診断基準(National Polycythemia Vera Study Groupの診断基準)
- 循環赤血球量の増加(男性≧36mL/kg、女性≧32mL/kg)
- SaO2 ≧92%
- 脾腫(脾臓の腫大(腫れて大きくなる事))が存在する事。
- 血小板 増加(>40万/mm3)
- 白血球 増加(>12,000/mm3)
- 末梢血好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア 上昇
- ビタミンB12 血清中または結合能のいずれかが上昇
- 血清ビタミンB12>900pg/mL
- ビタミンB12結合能>2,200pg/mL
上記[1+2+3]または[1+2+(4~7のうち2項目)]であれば,本症と診断する。
[編集] 症状
高血圧、赤ら顔、入浴後の痒みなど
[編集] 合併症
血液が粘調となるため、血栓症を合併する恐れがあり、特に脳梗塞、心筋梗塞などの重要臓器の塞栓は致命的である。
[編集] 治療
瀉血が第一選択である。体内貯蔵鉄が減り、赤血球を産生できなくなるため、次第に瀉血量は減らせることもある。コントロール不良の場合はハイドロキシウレア(hydroxyurea)などが有効とされる。 また血栓症の予防のため少量のアスピリン(成人で1日100mg程度)の内服が推奨される。