赤血球
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赤血球(せっけっきゅう、red blood cell、erythrocyte)は、動物の血液に含まれる細胞成分の一種。 骨髄中に存在する造血幹細胞由来の細胞である。細胞内にヘモグロビンを有することで酸素と結合し、血流に乗って酸素を体中の組織に運搬する。なお、二酸化炭素も運搬できるが、酸素と違いほとんどは血漿に溶けて運搬される。
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[編集] 概要
哺乳類以外の脊椎動物では赤血球に細胞核を持っている。例外はアメリカサンショウウオ科(Plethodontidae)のBatrachoseps。これは、1823年にフランツ・バウエルがジョン・ハンターの標本を研究し魚類の赤血球中核があることをスケッチした、また核NUCLEUSと命名した。 赤血球は骨髄で赤芽球から作られ、血管に入り活動を始める。役目を終えたあとは 肝臓・脾臓で壊される。
最下層の赤血球を低張液にさらすと赤血球は浸透圧崩壊を起こし、赤血球内容物(ヘモグロビン等)が水溶液中に漏出する。その後、浸透圧を回復し赤血球膜を再封すると赤血球ゴーストができる。
酸素と結合し、各細胞へ酸素を運搬する。ただし酸素より一酸化炭素と強く結合する為、体外から一酸化炭素を取り込んだ時、一酸化炭素中毒を生み出す原因となる。
例えば大量出血時には脳へ酸素が上手く運搬されない為、脳死などを引き起こす。 そうしたことから、出血時に対する代替赤血球の研究開発が日本でも進められている。
大きさは細胞核をもつ赤血球はもたない動物より比較的大きいなど生物によって異なる。例えばラットでは直径5.9μm、ヒトでは約8μm。イヌはヒトの約80%、ネコは約50%の大きさであり、ヒトより多くの数をもつ。最大の赤血球を有する動物はゾウであると考えられており、その大きさは9μmである。
[編集] 寿命
細胞核をもつ赤血球は哺乳類のそれにくらべて寿命は長い。ラットでは約60日である。哺乳類において最長の寿命を持つものはラクダの赤血球であり約225日である。ヒトについては長命説が優勢で120日間とされている。また酸素不足となると寿命は大幅に減少する。
[編集] 哺乳類の赤血球
成熟途中で細胞核が失われ(脱核という)、さらにミトコンドリア等の細胞器官を失っている。そのため、エネルギーは全て解糖系でまかなっている。ただし、髄外造血が行われると、核を持つ未熟な赤血球(有核赤血球,NRBC)が出現する。
形は真ん中のわずかにくぼんだ円盤状の形状(例外としてラクダ科では楕円形)である。円盤状の形状をとることにより、球形の形状に比べ表面積を拡大している。色は赤。赤色は呼吸色素ヘモグロビンに由来する。
[編集] ヒトの赤血球
1658年オランダの昆虫学者ヤン・スワンメルダムの顕微鏡観察により発見され、1673年レーウェンフックによっても観察された。
ヒトの場合、正常数は、男性で約500万個/mm³、女性で約450万個/mm³。寿命は約120日。大きさは7~8μmである。血液を1000G, 10分ほど遠心すると上層に血漿、中層にBuffycoat、下層に赤血球の層が沈殿するが、その比率は大凡55:1:44である。多くの血液型をもつ。その中で赤血球の表面に発現している抗原が、ABO式(1900年オーストリア・ウィーン大学カール・ラントシュタイナーにより発見)を生み出す。