硫酸銅(II)
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硫酸銅(II) | |
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IUPAC名 | 硫酸銅(II) |
別名 | 胆礬 |
組成式 | CuSO4 |
式量 | 159.6 g/mol |
形状 | 白色粉末(無水物) 青色結晶(5水和物) |
結晶構造 | 三斜晶系(5水和物) |
CAS登録番号 | [7758-98-7](無水物) [10257-54-2](1水和物) [7758-99-8](5水和物) |
密度と相 | 3.6 g/cm3, 固体(無水物) 2.3 g/cm3, 固体(5水和物) |
水への溶解度 | 31.7 g/100 mL (0 ℃) |
融点 | ℃ |
沸点 | >650 ℃(分解) |
出典 | ICSC(無水物) ICSC(5水和物) |
硫酸銅(II) (りゅうさんどう に、英:copper(II) sulfate、化学式 CuSO4)は、銅(II) イオンと硫酸イオンのイオン化合物であり、青色の三斜晶系結晶(5水和物)。5水和物の他に3水和物、1水和物、無水物を作り、無水物は白色の粉末となる。水に溶けやすく水溶液は青色を示す。中学校の理科の実験に用いられることから馴染み深い化合物である。しかし毒性があるため、取り扱いには注意を要する。毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。
5水和物、特に鉱物として自然産出するものは、胆礬(たんばん)とも呼ばれている。これは銅鉱山の古い坑道の内壁などで、地下水から析出して結晶となっているものを得ることができる。
[編集] 用途
水溶液は銅めっきや銅の電解精錬の電解液、エッチング、顔料、殺菌剤(ボルドー液)の原料、媒染剤、防腐剤、血液の比重検査などに用いられる。無水物は強力に水を吸着するので、アルコールを厳密に乾燥させるときの脱水剤として用いられる。また、水溶液の溶解度が温度によって大きく変化するので、飽和水溶液の冷却による再結晶が容易であり、また5水和物の結晶が美しいことから、大結晶の成長実験が理科教育の実験教材としてしばしば取り上げられる。熱帯魚や海水魚を飼育する際、白点病の治療薬として用いられていた。
[編集] 硫酸銅(I)
銅(I) イオンと硫酸イオンのイオン化合物である硫酸銅(I)(化学式 Cu2SO4 CAS登録番号 [17599-81-4])も存在が知られている。酸化銅(I) と硫酸ジメチルとの反応で得られ、熱により単体銅と硫酸銅(II) とに分解する[1]。
[編集] 参考文献
- ^ Berthold, H. J.; Born, J. Z. Anorg. Allg. Chem. 1987, 550, 7-15. DOI: 10.1002/zaac.19875500702