酸化銅(I)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化銅(I)(さんかどう いち)は化学式 Cu2O で表される銅の酸化物で、赤色ないし赤褐色の結晶または結晶性粉末。CAS登録番号は1317-39-1。水にほとんど溶けない。希塩酸及び希硫酸、塩化アンモニウム溶液、アンモニア水に可溶。有機溶媒に不溶。融点 1,232 ℃、1,800 ℃で分解して酸素を失う。乾燥空気中で安定であるが湿った空気中では徐々に酸化され酸化銅(II) に変わる。フェーリング反応に陽性の物質は、フェーリング液を還元し酸化銅(I) を沈殿させる。
酸化銅(I) は、整流作用を持つ物質であり、シリコンが標準となるよりかなり前の1924年に、酸化銅(I) を使用した整流ダイオードが作られ、産業的に利用されていた。天然では赤銅鉱として産出する。赤銅鉱は宝石にも利用される鉱物である。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 酸化物 | 銅の化合物 | 自然科学関連のスタブ項目