社会人
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社会人(しゃかいじん)とは、社会に参加している人のことである。一般的に、社会において責任を持って生活している人のことを指すことが多いが、社会人=労働者と言った意味合いも強い。類義語として、職業に従事していることを強調した用語である職業人(しょくぎょうじん)がある。
また、現代のような会社社会(会社と社会とがイコールで同一視されるような社会)にあっては、社会人になることは会社員になることとほぼ同義化されており、会社組織に所属して一定の雇用上の地位を得ること(例えば正社員となること)を指し示す場合も多い。
社会人は、実社会で権利と義務の主体として存在しているといわれている。人格が完成しているものとみなされる。意思が尊重される反面、故意や過失などによる失敗に対しては、大半について制裁を受け、個人の事情が特に配慮されて許されることは比較的少ないといわれている。
一般的に社会人の始期は、学校を卒業・修了した時点であることが多いが、何らかの事情で学業の途上にあっても、同世代がほぼ全員大学を卒業する20代半ばには、社会人として待遇されることが比較的多い。社会人の終期は、60歳程度であることが多く、一般的に定年などに達することなどによって退職を迎えた時点である。しかし、60歳を超えても、再就職を行って社会人であり続ける人もいる。
社会人の場合、ある程度責任ある仕事(職)を持ち、家族の生活を支え、現実的な思考をしている姿が歓迎されるといわれている。 社会人は利益を求めて働くことである。よって専業主婦は社会人には含まれないと考えられることが多い。
もともと「社会」というのは欧米からの翻訳語である。それに日本独自のニュアンスが加えられた。日本語以外の諸外国語では日本で言うところの“社会人”を示すと労働者(worker)と呼ぶほかない。そもそも「社会」とは、人と人との繋がり、人々の集団と言う意味であり、子どもや学生、高齢者、退職者でも他人との何らかの繋がりがある限り社会に参加している人=社会人である。つまり人間である限り社会人であると考えるためである。