空中線電力
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空中線電力(くうちゅうせんでんりょく)とは、無線局が空中線(アンテナ)に対し出力する電波の最大電力(強さ)。無線局免許状において総務大臣により指定される事項(指定事項)の1つである。
送信出力とも言われる。測定方法は電波型式に応じて定められており、平均電力(全搬送波方式の振幅変調、周波数変調など)、尖頭値電力(抑圧搬送波方式の振幅変調、パルス変調など)などが用いられる。一般に、無線局は免許状に記載された空中線電力以内で、かつ通信を行うために必要最小の電力で運用しなければならない。
通常、空中線電力は「50kW」や「20W」のような形で表される。また、実際に輻射される電波の強さ(実効輻射電力 effective radiation power:ERP)は、これに給電線(フィーダ)の損失やアンテナの利得が加味される。したがって、空中線電力が変化しなくてもERPが変化すれば電波の飛び方(電波の飛ぶ範囲や電波の強さ)が変わる。また免許状に「方向別実効ふく射電力」が明記されていると、2基以上のアンテナで発射されている場合、アンテナの方向ごとに電波の強さが異なっている。