聖年
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聖年(せいねん Holy Year, Jubilee Year)はカトリック教会において、ローマ巡礼者に特別の赦しを与える、とした年である。プロテスタントには聖年という概念はない。なお、2000年は大聖年であった。
歴史上、教皇ボニファティウス8世が1300年を聖年と定めたのが始まりである。2回目はクレメンス6世の1350年(アヴィニョン捕囚の時期であるがローマへ巡礼すべきこととされた)、3回目はボニファティウス9世の1390年、4回目は1400年である。以後、おおよそ25年ごとに聖年とされた。ただし1800年・1850年は聖年とされなかった(前者はナポレオン制圧下、後者は1848年革命後の直後のため?)。2000年は26回目の聖年に当たる。
また、ローマに巡礼することのできない者に対して、同等の効果を与えるとして贖宥状(いわゆる免罪符)が出された。これはボニファティウス9世当時の教会大分裂という時代にあって、フランスなどの妨害で巡礼者が難儀することを考えての措置であった。17世紀のトリエント公会議の決議により、贖宥状は出されなくなった。
現在、聖年については、ヨハネ・パウロ2世の教皇大勅書(受肉の秘儀)に規定されており、指定された教会が巡礼の対象になる(日本国内にもあり)。
[編集] 一覧
1300年 ボニファティウス8世 |
1575年 グレゴリウス13世 |
1875年 ピウス9世 |