肝試し
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肝試し(きもだめし)とは、人が本来持つ恐怖心を抱くような場所、すなわち暗闇や、恐ろしい場所を巡るなどして度胸を試す遊びである。夏の風物詩とされる。学校のクラブやスポーツ少年団などの合宿でしばしば行われる企画で、夏休みの思い出作りとしても楽しい。
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[編集] 事前準備
肝試しを行う場所は墓地や森林・廃虚といった閑散として不気味な場所や、いわゆる恐怖スポットと呼ばれる場所などが選ばれる。学校やスポーツクラブの合宿で肝試しを行う場合、安全でしかも恐怖感をあおる墓地や狭い山林などが選定されるのが普通である。
時間は暗闇となる夜でなければならない。暗闇そのものが人間に恐怖感を与えるためである。なんら細工をすることの無い場合もあれば、参加者の一部が驚かす役にまわり、あらかじめコースを設定したり驚かす道具を用意しておくなどの事前準備をすることもある。
[編集] 遊び方
肝試しをはじめる前に、幾つか怪談噺をすると雰囲気が盛り上がる。その場所にちなんだ怪談であるとより恐怖感が増す。
そのあと、参加者は2~4人くらいのグループを作り、順番に決められたコースを巡る。小さな子どもが参加するときは、泣き出して動けなくなったり道を間違えて迷子にならないように、年長の参加者が同じグループに入るようにする。このとき、異性どうしでペアになるのも面白い。おどろかす役は白いシーツを被ったり人体標本などを使ってお化けや妖怪、骸骨などを演出し、やってきた参加者をおどろかせる。ほかにも、オーディオデッキで不気味な音楽や悲鳴の効果音を流したり、竹ざおの先にぶら下げたコンニャクで参加者を撫でるなどいろいろと工夫を凝らす。おどろかす役も誰かが来るまで暗闇でじっと待たなければならないので、それなりに怖い。
きちんとゴールまで辿り着いたことを確かめるには、折り返し地点にカードやお菓子を置いておき、たどり着いた参加者が一つづつ持ってくるようにするとよい。
最近では口コミで知ったりマスコミで取り上げられた心霊スポットを訪れるだけの肝試しも行われる。この場合は暗闇と周囲の雰囲気が恐怖感をあおるので、特におどかす役は決めない。
[編集] 注意
肝試しを行う場所の選定には、他者の迷惑にならないように注意が必要である。無人の廃病院や廃校にも所有者がいるため、無断で入り込むことは許されない。そのような場所を肝試しに使おうとする場合は、あらかじめ使用許可を得るようにする。深夜に騒いだり、落書きや破壊行為、ゴミを散らかして片付けないなどの不法行為はもってのほかである。 地元の人も近寄らないようなスポットや廃墟・廃病院・廃トンネル・墓場などは、今の科学・物理学等では説明の出来ない想定外の事態が起こることもないとは言えないので、十分に注意しなければならない。
また、主催者は、参加者が恐怖のあまり想定しない行動を取る場合があることを留意すべきである。
- 日中の明るい時間帯にコースの下見をしておく。特に足元に注意し、走って転倒した場合の危険などを想定しながら危険物を排除する。
- 驚かす役をおく場合は、逃げる参加者を深追いするなど、過度なものにならないように主催者側の打ち合わせで周知する。
- 道具や仮装を用いて脅す場合、思わぬ行動を取る参加者に危険が及ばないような材質や形状、方法を工夫する。
- 強硬に参加を拒む参加者に、無理強いはしない。