能登キリコ祭り
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能登キリコ祭り(のときりこまつり)は、能登半島各地で行われる祭りで、「キリコ」と呼ばれる高さ数メールの巨大な灯籠を使うことを特徴とするものである。主として7月から10月に掛けて夏祭り・秋祭りとして行われており、疫病退散を願って始まったとされるものが多い。
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[編集] キリコとは
キリコとは、ひとことでいえば巨大な灯籠であり、代表的な形としては背が高い直方体状で、前後に文字や絵が書かれており、中に灯り(昔はロウソクその他を使用したが現在はだいたい電灯)が入っている。上部には屋根や飾りが付いている。ただ実際のキリコの形や大きさはその地区・地区により様々である。中には青森ねぶたにも似た曲線状のものも存在する。
キリコは普段は各々の祭礼をする町内で管理されているが、輪島市のキリコ会館に行くと多数のキリコをいつでもみることが出来る。また、能登空港や道の駅・桜峠などに、キリコ型の名称表示塔が立っている。
[編集] 歴史とサイズ
キリコ祭りの歴史は伝説の中にあるものがあり、文献による記録はそう多くないが、正保3年(1647年)の輪島住吉神社の祭礼定書にキリコのことが書かれている。宇出津・八坂神社のキリコ祭り(あばれ祭り)については寛文年間(1661-1673)に桜井源五という人が始めたと伝承されているが、これについては異論もある。
他地域の類似の祭りと同様、キリコも最初は小さなもので手で持てる程度のものであったが、後に次第に巨大化していき、大人が何人もかかって協力してかつぐものとなり、地区によっては巨大になりすぎて車を付けて動かすようになったところもある。またかつげるサイズではあるものの、最近の過疎化で担ぎ手が足りずにやむを得ず車を付けた地区などもある。
[編集] 最重要な祭り
キリコ祭りは能登地方の住民にとって最も重要な祭りであり、この地区で生まれて金沢や東京・大阪などに出て行っている人たちが、盆には帰省しなくても自分の町でキリコ祭りがある時には戻ってきて、祭りに参加している。そのため、祭りが行われる時期にはその地区周辺は交通が混雑するし、祭り当日は町内への車乗り入れが規制される場合もある。
[編集] 各地のキリコ祭り
- 能登町宇出津の「あばれ祭り」7月上旬
- 七尾市の「七尾祇園祭」7月上旬
- 珠洲市飯田の「飯田燈籠山祭り」7月下旬
- 能登町姫の「どいやさ祭」7月下旬
- 能登町松波の「人形キリコ祭り」7月下旬
- 能登町恋路の「恋路火祭り」7月下旬
- 七尾市能登島の「向田の火祭り」7月下旬
- 七尾市の「石崎奉燈祭」8月上旬
- 珠洲市見附海岸の「宝立七夕キリコ祭り」8月上旬
- 穴水町明千寺の「明千寺キリコ祭り」8月中旬
- 能登町柳田の「ござれ祭り」8月下旬
- 輪島市の「輪島大祭」8月下旬
- 能登町鵜川の「にわか祭」8月下旬
- 珠洲市蛸島の「蛸島キリコ祭り」9月上旬
- 珠洲市正院の「正院キリコ祭り」9月中旬
- 能登町柳田の「柳田大祭」9月中旬
- 珠洲市寺家の「寺家キリコ祭り」10月上旬