脱皮動物
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脱皮動物(だっぴどうぶつ、Ecdysozoa)は旧口動物の一群で、節足動物、線形動物その他の動物門を含む。Aguinaldoらにより1997年設定されたが、これは主として18SリボソームRNA遺伝子の系統樹に基づいている。形態的にも、外骨格を持ち脱皮を行うという共通点を持っており、古く形態学的特徴から設定されたEcdysozoa(Perrier 1897、および Seurat 1920)にほぼ相当する。
最も重要な共通点は3重のクチクラで、これが生長につれて定期的に脱皮される。運 動のための繊毛は持たず、精子はアメーバ状で、胚は一般の旧口動物の特徴とされるらせん卵割を行わない。そのほかにもいくつかの共通の性質が見られる。
次の門からなる:
他の群(腹毛動物など)もこれに含まれる可能性があるが、共通の性質を欠いており、今のところ別の群とされている。
節足動物と、有爪動物・緩歩動物(まとめて側節足動物とも呼ばれた)は体が体節から構成されている点から、かつては環形動物に近いと考えられていた(あわせて体節動物と呼ばれた)が、実際には共通点は少なく、現在ではそれらの体節制は別個に進化したと考えられている。