臨界前核実験
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臨界前核実験(りんかいまえかくじっけん、英:subcritical experiment )とは、主に核物質を臨界に至らない条件に設定して行う各種の実験。核兵器の新たな開発や性能維持のために行われる。
核物質の高性能爆薬による爆破・圧縮や大出力レーザーの照射によって行われ、主に物性変化を観察することが目的である(実験結果はコンピュータ・シミュレーションの基礎データなどに利用される)。 核物質が臨界に達する前の段階で実験は終了するため、通常の核実験で起こるような(閃光・熱・爆風を伴う)核爆発は発生しない。
包括的核実験禁止条約 (CTBT) の禁止対象外である。現在アメリカが中心となって行っており、核兵器反対派の団体などからは「何らかの条約によって禁止すべき」との意見が多くある。また、以前レーザー核融合を用いた臨界前核実験に用いる光学プリズムをHOYAがローレンス・リバモア国立研究所に提供することになったことが報道されたことがある。[1]