自然霊
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自然霊とは、この世に一度も姿を持ったことのない霊のこととされ、高級なものから低級なものまでを含む。植物、鉱物、水などに宿っており、文字通り天候や天災などの自然現象を司っている。主に山神、水神、木霊などがあり、これらは山系の仙人、天狗、水系は龍神というように化身となっている。花にはデリケートな妖精がいて人を癒すという。また、人に憑依し困らせるようなものは、低級な自然霊と考えられる。
稲荷(狐)や狸、蛇なども自然霊で、但しこれらもエネルギー体であり、実在する動物の動物霊とは別物だという説が有力である。また、山の精霊ともいわれる座敷童子や水神系の河童、樹木系のキジムナーなども自然霊の化身だという説がある。多少、人を怖がらせたり驚かす妖怪のようないたずら好きなタイプの自然霊は、子供のような純真無垢な人の周りに集まりやすいといわれている。一部の子供にしか見えなかったという談があるのは、そうした性質から来ているとも考えられる。
自然霊は、人間的な感情(人情)が無く、ドライな判断基準しか持たないといわれており、自然環境に感謝をせず粗末にした場合、高級な自然霊は離れていくという。また、低級なものは、祀ればそのぶんのみ助けるが、しかしながら以後、感謝を忘れればそのぶん祟るようになるため、一度こうしたものに頼ると礼を絶やせなくなるといわれている。