英虞湾
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英虞湾(あごわん)は、三重県志摩半島南部の湾。リアス式海岸として有名であり、真珠養殖も盛んで奈良時代から阿古屋貝から採れる真珠を出荷していた。近年、阿古屋貝真珠の養殖技術が確立されると、真珠養殖発祥の地としても知られ、昭和初期には真珠湾とも呼ばれた。
青のりの養殖が盛んであるため、晩秋から春にかけて海苔網が多く建つ。また、ウミホタルも海に生育しているほか、数日間晴れが続いた場合、海が緑色に輝くこともある。
しかしながら、近年、湾内の汚染が進んでいる。赤潮や貧酸素水塊が発生している。そのため、汚染等を改善するため、いくつかのプロジェクトが行なわれている。たとえば海底のヘドロの改善などである。
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[編集] 湾内の島
湾内には大小50余りの島が浮かぶ。その中でも賢島と間崎島は有人島であり、賢島には駅(賢島駅)が存在し、本州と橋でも繋がっている。無人島は主なもので天童島、土井ケ原島、横山島、多徳島などが挙げられる。
[編集] 歴史
- 「あご」と言う呼び方は天武天皇の時代に遡ることが出来る。
- 古くから多くの人が暮らしており、石器時代の石器に使われた石は遠く信州から運ばれてきた物で石器時代から遠い地方との交流があったことが伺える。
- 飛鳥時代には「志摩国志摩郡伊雑郷」、「志摩国志摩郡魚切里」。奈良時代には「志摩国英虞郡名錐郷」、「志摩国英虞郡名錐郷舟越里」、「志摩国英虞郡甲賀郷」等の地名を木簡に見ることが出来る。
[編集] 主な海産物
英虞湾で最も採れるものは青海苔であり、地元では「アオサ」とも呼ばれ年間を通して採れる。また真珠貝の貝柱も食用されているほか、海松と呼ばれる珍味や岩牡蠣、アサリなどがある。
[編集] 交通アクセス
英虞湾に訪れる際の起点は賢島を除き、近畿日本鉄道志摩線の鵜方駅が最寄である。
[編集] 外部リンク
- 三重県科学技術新興センター水産研究部
- 英虞湾の環境情報のページがある
- 英虞湾再生プロジェクト(大成建設)
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