藤山新太郎
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藤山 新太郎(ふじやま しんたろう、1954年12月1日 - )は、日本人プロマジシャン。東京都大田区出身。父親は漫談師の南けんじ。日本大学卒。日本奇術協会専務理事。「東京イリュージョン(株)」を創立。伝統的な日本奇術「手妻」を継承する数少ないマジシャンの一人。
1966年、12歳でマジシャンとして初舞台を踏む。以後、10回近い海外公演を成功させ、数多くの賞を受賞。マジックキャッスルには26歳で出演した。88、94年、98年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞している(3度の受賞は同賞初の偉業)。
御囃子に紋付袴といった正装で舞台に立ち、「浮かれの蝶(胡蝶の舞)」「水芸」「お椀と玉」などの古典奇術の多くを得意とする。それらの伝統を守りつつ、現代でも不思議に見えるようアレンジしており、国内外で高い評価を受けている。また、クロースアップ・マジックや洋装ステージマジックでも高いテクニックを持ち、カバーする分野は広い。
現代では少なくなった師弟制度を持っており、厳しい指導は有名。それを支える考え方や、確固たるマジック論は大変完成度が高い。マジック界の抱える問題や、アマチュア・プロマジシャンとしての心得・個性、師弟の関係などについて豊富な経験から論じ、理論書としての必読書の一つと言える。
1992年から、国際マジック団体のSAM日本地域局会長に就任。日本奇術界の発展の一環として、国際交流などの舞台に多く登場している。
愛娘・藤山すみれもプロとして活動している。