漫談
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漫談(まんだん)とは、大辻司郎が命名したとされる、大正ごろに創設された演芸。元来無声映画の説明者(弁士)が、音声付き映画(トーキー)が主流となったため失業し、代わりに巧みな話術を生かして寄席の高座等に出演したのを発端とする。
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[編集] 概要
- 漫談家と呼ばれる演者が立ちながらトークを行うもの。世間話から始まり、世相批判等を行うものもあれば、単なるばかばかしい内容で終始するものなどがある。
- 三味線やギター、ウクレレ等を携えて登場し、一曲うなりながらネタを進行するもの、演じる曲そのものがネタであるもの等もある。特に上方では女性一人が行う物を「女道楽」と呼ぶことがある。
- 物真似(声帯模写・形態模写・声色)も漫談に含まれることが多い。この場合は物真似の合間にくすぐり(シャレやギャグ)が入り、笑いを取る。
- 落語家が本題に入る前に演じる「マクラ」を漫談に含める場合がある。また新作落語と呼ばれている作品の中に、狭義の落語の定義に入らない、すなわち登場人物がいないもの・ストーリーが無いものについて、これを落語に含めずに漫談で括る場合がある。
- この他、講談師や浪曲師が時間の都合で本筋に入らずに世間話等や軽い歌(浪曲師の場合)で調整する場合も、漫談と見なされる事がある。
- ナイトクラブやショーパブなどで演じられるスタンダップコメディ(Stand-up Comedy)ともしばしば同一視される。
- 基本的に話芸であるため、一人コントや一人芝居、手品、コミックマイム、ギャグ・パフォーマンス等は漫談に含まれない場合が多い。しかしながら、近年のテレビ番組によるお笑いブームにより新手の一人で行う演芸が出現し、これらの一部を漫談としてみることも考えられる。