西の魔女が死んだ
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西の魔女が死んだは、梨木香歩の小説 および同作品を収めた単行本、または文庫。1994年に出版され、日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞。2001年には新潮文庫より文庫版が出版された。
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[編集] 概要
主人公まいが、魔女であるおばあちゃんと過ごしていた頃を思い出す形で物語は進む。まいは傷つきやすい少女として描かれ、今の現代社会に対しておばあちゃんが暮らす自然にあふれた生活が対照的に描かれる。また同時に一つの重要なテーマとして、人の死というものを含んでいる。
注意として、この作品に登場する魔女が使う魔法とは、ファンタジーの世界のようなものではなく、ちょっと不思議なことがわかるという程度のものである。現実に魔女とよばれた人たちのように、物語中でもこの力により迫害をうけたような描写もある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
まいの元におばあちゃんが亡くなったという連絡が来る。おばあちゃんの家に向かう車の中でまいは、おばあちゃんと過ごした二年前のことを思い出す。
まいは中学校に入学したばかりの頃、登校するのが嫌になってしまい、おばあちゃんの元でしばらく暮らす事になる。そこで、まいは「魔女」になるための修行をする事になる。その修行は、「なんでも自分で決める事」だった。
[編集] 登場人物
- まい(「渡りの一日」では「加納まい」)
- おばあちゃん
- ママ
- まいの母親。おばあちゃんの娘で、イギリス人のハーフ。まい共々、おばあちゃんを「西の魔女」と呼んでいる。しかし家事と仕事の両立や教育方針に関しては意見が合わないようだ。インターナショナル・スクールも無い時代に日本で大学まで出ているが、やはり学校と言う場に溶け込めなかったらしく、まいが不登校になった理由も聞かずに居た。愛車はダークグリーンのミニ。
- パパ
- T市に単身赴任中のまいの父親。「魔女修行」中のまいのもとにやってきて、家族共々引っ越すことを提案する。
- ゲンジさん
- おじいちゃん
- 物語の時点で既に故人。おばあちゃんの回想にのみ登場。生前、ゲンジさんに良くしていたらしい。
[編集] 受賞
- 日本児童文学者協会新人賞
- 新美南吉児童文学賞
- 小学館文学賞
[編集] 書籍情報
- 単行本(楡出版、1994年、ISBN 4931266169)
- 単行本(小学館、1996年、ISBN 4092896107)
- 文庫本(新潮社、2001年、ISBN 4101253323)
[編集] 渡りの一日
渡りの一日は、『西の魔女が死んだ』の後日談を描いた小説。文庫版に収録されている。
まいは友人のショウコとサシバの渡りを見にいく約束をしていた。しかしショウコは約束をすっぽかし、家を訪ねてもなかなか起きてこない。ショウコは起きてきてもわびる様子もない。時間的にも渡りを見に行けなくなったため、ショウコの母親に勧められて、絵画展を見に行くことにする。が、途中で同級生・藤沢に怪我をさせ、彼の用事までしぶしぶ引き受けることに……
[編集] 登場人物
- 加納まい
- 『西の魔女が死んだ』の主人公。転校先(T市と推定される)で、「何事にもこつこつと取り組み、人のために働くことが好き」という、おばあちゃんとの魔女修行の成果がしっかり現れており、密かにショウコからは尊敬されている。
- 和邇ショウコ
- まいの親友。少し変わった性格なのでクラスではやや浮いているが、本人は気にしていない。サシバの渡りを見に行こうと言い出しておきながらすっぽかした。自分の興味あることは他人も興味があるはずだと思い込み、押し付ける癖があるが、物語の最後でまいとの誤解が解ける。
- 順子さん
- ショウコの母。もと婦人警官。
- 藤沢
- まいとショウコのクラスメート。サッカーの練習試合に出る兄に自転車で忘れ物を届けに行く途中、まいとショウコを避けたはずみに転び怪我をする。ショウコの言葉不足のために、2人から好かれているとあらぬ勘違いをするが……
- 藤沢の兄
- サッカーの試合に出るのにユニフォームを忘れてしまったおっちょこちょい。笹島あやと婚約している。弟同様にまいとショウコに関して誤解をする。
- 笹島あや
- ダンプカーの運転手。藤沢の兄と婚約している。「やりたいことを仕事にする」のが信条で、まいとショウコから憧れられている。