親指さがし
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親指さがし(おやゆびさがし)は山田悠介のホラー小説。それを原作とした2006年8月26日に公開された日本映画は親指さがし_(映画)を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 親指さがしという遊び
とあるバラバラ殺人において被害者の女性の遺体のうち左手の親指だけが見つからなかった。その親指を見つけてあげると1つだけいいことが起きるという幽体離脱を伴った遊びである。
輪になって座り、右手は右側の人の左手の親指を握って隠す。ここでしっかり隠しておかないと親指が切り取られる危険性がある。全員がバラバラ殺人の現場で被害者の立場を思い浮かべると、1人1人が別々の「親指さがしの部屋」に飛ばされ、そこで親指を探す。部屋にある蝋燭を消せばいつでも帰ってこられるが、誰かに肩を叩かれたときに振り返ってしまうと生還できなくなってしまう。
小説内では箕輪スズ殺害事件のニュースを元に、小学生の田中明日香が面白半分で作った遊びであることになっている。
[編集] あらすじ
小学6年生の由美は武にビーズで作った指輪をプレゼントする。由美と武、信久、知恵、智彦はマンションの屋上でに「親指さがし」を行う。2度目の「親指さがし」で由美だけが消えてしまい 7 年の月日が流れる。罪悪感に苛まれ続けた 4 人は過去にケリをつけるためにもう一度「親指さがし」を行うものの何も起こらない。武は、「親指さがし」のモデルになった事件があるのではないかと考え、昔の事件を探し、20 年前に山梨県天界村で起きたバラバラ殺人事件にたどり着く。被害者は、その村に別荘を持っていた 20 歳の箕輪スズで、殺害された後に遺体の左手の親指だけが見つからなかった。4 人は天界村のスズの別荘に赴くと、そこの部屋が子供の頃に「親指さがし」で来た部屋と同じであることに気づく。由美が飛ばされたと思われる部屋は、血痕が見られるなど、スズの殺害現場のようだった。その部屋では、ぬいぐるみが落ちたり、鏡に髪の長い女性が映るなどの怪現象が続き、スズに取り憑かれた信久が錆び付いた鎌で智彦に襲いかかるなどしたが、信久が気を失い事なきを得た。 4 人は別荘から戻る途中、スズを少女時代から知っているという山田与三に会った。与三は、スズが小さな頃から予知能力などを持つ特殊な子供だったこと、母親がいなかったこと、二十歳になってすぐにたった 1 人の身内であった父親を失い、別荘に籠もるようになったこと、しばらくしてバラバラ殺人に遭ったことなどを 4人に話した。翌日、武は 1 人で与三に会い、スズが神奈川県鎌倉市から来ていたと聞き出身の小学校に向かった。そこで、スズの少女時代の不気味な話や、スズが孤立していたことを聞かされる。帰り道、武の運転する車は電柱に激突し入院した。信久と智彦は由美に殺され親指を切り取られた。事件を担当していた刑事は、11 年前似たような事件が起きていたことを武に伝え、武はその時の犯人である田中明日香に面会する。明日香は武たちが「親指さがし」をしたことを見抜き、それは自分が思いついた遊びだと告げる。そして明日香自身が「親指さがし」の最中に振り返ってしまったこと、その直後から記憶がなくなり気づいたら大人になっていて当時の仲間を自分の手で殺害してしまっていたことを話す。一方、行方不明の由美から連絡を受けた知恵は、小学校で会う約束をし、武の携帯電話に連絡した。武が知恵を追って小学校の屋上に辿り着いたときには、すでに知恵は倒れていた。由美の口から、スズが殺された時の状況が語られ、変質者だった犯人に左手の親指だけを庭の木の根元に埋められたこと、明日香たちのふざけた遊びにあわせて別荘に呼び込んだこと、その仕返しに「親指さがし」の参加者を自分と同じ二十歳前後で同じ目に遭わせたことなどが明かされた。武が由美との思い出のビーズの指輪をかざしながら、スズに憑かれた由美を説得したところ由美の意識が戻った。しかしまたスズの意志が勝り始めたため、由美は自らの腹を刺し、飛び降りて事件の幕を閉じた。武と担当の刑事が天界村を訪れスズの供養をした帰り、ラジオから左手の親指が無くなったバラバラ殺人のニュースが流れ、スズに関連する事件が終わってないことを感じさせつつ終わる。
[編集] 登場人物
- 沢武
- 主人公。
- 高田知恵
- 五十嵐智彦
- 吉田信久
- 田所由美
- 田中明日香
- 箕輪スズ
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 箕輪スズのサイト - 登場人物・箕輪スズの個人サイト
- 親指さがし呪われたWebサイト