観戦記者
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観戦記者(かんせんきしゃ)とは様々な競技を観戦し記事を執筆する記者のことを指すと考えられる。本欄では将棋の観戦記を執筆する観戦記者について記述する。
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[編集] 観戦記
明治時代から現代に至るまで新聞社主催のいわゆる新聞棋戦では、新聞にプロの対局(時にはアマ)の棋譜が掲載される。この棋譜に対局者の紹介、対局の模様、指し手の解説等を加えた記事を観戦記と言う。テレビやインターネットといった伝達手段が発達していなかった時代には、観戦記はプロ将棋と一般の将棋ファンとの間を結ぶ唯一の伝達手段であり、それだけ観戦記の役割も大きかったとされる。
[編集] 観戦記者の仕事
プロ棋士の対局を観戦し、対局者の様子や対局の雰囲気を記録するが、必ずしも対局中側で観戦する訳ではなく、重要な局面以外は控室で他の棋士達の検討を聞き、取材もする(新聞棋戦の場合対局ごとに解説役の棋士が付くことも多い)他、控室で時には麻雀や囲碁等も行なう。対局の終了後は感想戦で対局者の読み、指し手の解説等を取材して、観戦記を執筆する。
一口に観戦記者と言っても、作家や文筆家、プロ棋士など色々なタイプが存在するが、新聞・雑誌の記者とフリーの記者が最も多い。作家や文筆家は基本的にタイトル戦などの大きな勝負のみのゲスト執筆者である。プロ棋士は引退後観戦記に専念する場合と、現役の頃から執筆する場合とがある(自分の対局の観戦記である自戦記を執筆する場合もあるが、本稿では自戦記のみを執筆する棋士は観戦記者とはせず、自分以外の棋士の対局も執筆する棋士を観戦記者とする)。新聞記者・雑誌記者は主に自分の社が主催する棋戦の観戦記を執筆する。フリーの記者には新聞記者・雑誌記者のOBも多い。
[編集] 過去の観戦記者
(氏名右はペンネーム)
記者
(朝日新聞の観戦記者のペンネームは漢字一字の場合が多い)
プロ棋士
- 金子金五郎
- 山川次彦(香取桂太) 元『将棋世界』編集長
- 加藤治郎(三象子)
- 山本武雄(陣太鼓)独特の口語文 新聞の観戦記に2つ図面を載せることを考案した
- 永沢勝雄(仏法僧)
- 高柳敏夫 中原誠は高柳の内弟子時代、大手町の日本経済新聞社まで観戦記を届けるのが日課だった
- 芹沢博文 二上達也と森雞二との棋聖戦5番勝負第一局を30日間連載して話題になった
- 原田泰夫
作家・文筆家
[編集] 主な観戦記者
記者
- 西條耕一 読売新聞記者
- 山村英樹 毎日新聞記者
- 神谷浩司 日本経済新聞社文化部記者
- 山田史生 元読売新聞記者、フリー 囲碁の観戦記者として名高い山田覆面子の息子
- 田辺忠幸 元共同通信記者、フリー
- 東公平 フリー(かつて朝日新聞でのペンネーム 紅)
プロ棋士