許いん
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許筠(きょいん、ホ・ギュン、허균、1569年-1618年)は、李氏朝鮮時代の文人、小説家。ハングルで書かれた最古の小説『洪吉童傳(ホンギルトン伝)』の作者。
一族はみな文人、詩人として名を成している。中でも姉の許蘭雪(ホ・ナンソル)又は許蘭雪軒(ホ・ナンソルホン)は、儒教道徳に厳しく、女性蔑視の風潮のあった李氏朝鮮時代には珍しい女流詩人である。
『三唐詩人』の一人李達に詩を学ぶ。李達は庶子出身ゆえに遇されず志を得なかったとされており、許筠はその影響で、社会の矛盾や政治への不満を訴える作品を生み出している。
1594年科挙試験に合格し官吏となる。春秋館(王朝の歴史を編纂する部署。時の王権も及ばないとされた。)の記注官などを歴任する。1610年ごろ中国(明)在任中洗礼を受け、朝鮮人で最初のキリスト教徒となる。光海君の暴政に抗して反乱を計画したとして1618年処刑された。