認定校制度
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認定校制度 (School accreditation) は、教育機関の質を保証(認定)する制度のことである。
日本においては文部科学省が直接大学を認定しており、日本以外の国においては日本と同様に政府(教育行政担当の中央省庁)が直接行なうことが多い。一方、米国のように、政府に公認された民間かつ非営利の認定団体が認定するやり方もある。
米国などには非認定の大学が多く存在していることが従来から知られている。非認定の大学の実態は様々であり、当初は非認定だったところが正式に認定される事例もあるが、ディプロマミルあるいはディグリーミル(degree mill)と呼ばれる、「学位」を販売することを目的とする組織も多数存在する。政府公認の認定団体に認可されていない大学を卒業しても、博士、修士、学士といった学位は公に通用しないことが多い。従ってこれら大学が授与する学位は、学会の入会要件などにはまず用いることができないことはもちろん、オレゴン州やミシガン州等米国の4つの州では、非認定大学の学位を公的な場で用いることは原則として禁じられている。
また、認定校とされる組織においても、実際は公に認められていない認定団体(実在・架空含む)が認定しているケースも存在する。したがって、ディプロマミルによる被害を回避するためには、その組織の認定団体をあらかじめ調査することが重要であるといえよう。カリフォルニア州には独自の認可制度があり、認定校と同様の権威があると主張していたが、連邦政府はこれを認めず、またオレゴン州はカリフォルニア州の制度のうち有効なものは一部のみとしている。その他、ディプロマミル同然のところを合法的に存在可能にしている様々な例外規定が各国にあるので、注意を要する。
職務上学位が必要だったアメリカ国務省職員が、気づかずにディプロマミルに学位認定を申請してしまい、取得した“学位”を認定却下される事態になった事もあるという(NHK「クローズアップ現代」より「追跡 学位売買」)。
参考文献
- 前田早苗 『アメリカの大学基準成立史研究―「アクレディテーション」の原点と展開』 ISBN 4887134800
- D・W・スチュワート & H・A・スピル 『学歴産業(ディプロマ・ミル)―学位の信用をいかに守るか』 ISBN 447209181X
外部リンク
- 米・独における大学のアクレディテーションについて
- (文部科学省の中央教育審議会の資料から)
- ニセ学位問題
- (米政府職員に大量の該当者)
- Questionable Degrees: Too Easy To Get? (英文)
- (米国の教員にも該当者。認定大学データベースへのリンク集付)
- 汚染される日本の大学
- (日本の大学教員にも)
- オレゴン州政府による非認定大学リスト (英文)
- ミシガン州政府による非認定大学リスト (英文)
- (現在三百以上あると言われる内、廃止されたものを含む約二百校をリストアップ)
- List of unaccredited institutions of higher learning
- (英文ウィキペディア内のリスト。上の二つのリストに漏れているものも含む)
- 健康本の世界
- (日本で見かける主な非認定大学。オレゴン州によるリストの抄訳付)
- 「米国大学(院)学位商法」の危険性
- (メアリー加藤氏によるルポ)
- 猫に学位を与えたオンライン大学(原文はこちら)
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