講座制と学科目制
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講座制と学科目制(こうざせいとがっかもくせい)
講座制(こうざせい)、学科目制(がっかもくせい)ともに大学や大学院の中におかれる教員組織の類型である。通例、4年制大学の学科の下には、これらの教員組織がおかれる。学科が存在しない場合は、学部におかれることが多い。大学院の専攻にもおかれることが多い。
講座や学科目などの教員組織から派生して、教える者と学ぶ者、その他出入りする者によって、コミュニティが形成されることが多い。これらは、そのまま講座、学科目というときもあるが、教室や研究室と呼ばれることもある。
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[編集] 歴史
講座制は、旧制大学の、特に帝国大学(国立総合大学)でとられた制度であり、学部の下位に学問の専攻分野毎に設けられた。講座内は、原則として教授が指導し、教授 > 助教授 > 講師 > 助手の階級関係があった。戦後、このような階級制の弊害や教育を研究の分野に無理に一致させることの弊害がささやかれ、教員のゆるやかな連合的つながりである学科目制が新設された。長らく教員組織の制度は、この2つのみしか認められていなかったが、2000年代初頭にそれ以外の大学の定める組織も認められることになった。
[編集] 制度説明
[編集] 講座制
教育と研究の双方において必要な専攻分野毎に「講座」を設置し、教育研究に必要な教員を配置する制度である。講座には、教授、助教授、助手の3種の教員を原則としておくものとされている。ただし、講座の種類により特別な事情があるときは、講師を置き、又は助教授若しくは助手を欠くことも認められている。 講座は、原則として専任の教授が指導的な立場に就くものとされている。
[編集] 学科目制
教育の上で必要な分野毎に「学科目」を定め、その教育研究に必要な教員をおく制度である。学科目には、教授、助教授、講師、助手などが任意におかれる。教育上主要と認められる学科目は、原則として専任の教授、助教授が指導的な立場に就くものとし、主要な学科目以外の学科目については、なるべく専任の教授、助教授、講師が指導的な立場に就くものとされている。
[編集] その他の教員組織
大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)の第7条により、大学の定めるところによりおくことが認められている。