議員辞職勧告決議
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議員辞職勧告決議(ぎいんじしょくかんこくけつぎ)は、議会が特定の議員に対し「辞職を勧める」決議。多くの場合、国会決議のことを指す。
[編集] 概説
不祥事などで議員の身分にふさわしくないとされる議員に対して行われる議会の意思表示である。法的拘束力はないため、当該議員は勧告に従わなくても法律上問題はない。
議員の不祥事に対して、議員の進退問題について個々の議員が判断すべきという意見や、不祥事に対する議会の意思表示という面もある。一方で、法的明文もないのに議会が有権者に選ばれた特定の議員の進退問題を議決することは憲法上問題であると批判する意見もある。また、勧告対象となった議員が辞職勧告を拒否した場合、議院の権威が低下する懸念も指摘されている。
なお、日本国憲法第58条で規定されている国会議員の除名は「院内の秩序をみだした議員」のみが対象であるため、院外の行動における不祥事を対象とすることは出来ない。
[編集] 過去における議員辞職勧告決議
国会本会議で議員辞職勧告決議が採決されたことは過去に5例があり、可決例は4例ある。西村を除く3人は議決時において逮捕勾留されており、議員活動が滞っていた。4人とも議員辞職を拒否し、鈴木と坂井は任期まで議員に在職し続け、友部は2001年5月に実刑が確定するまでの約4年間も議員に在職し続けた(西村は現在、議員在職中)。
本会議採決日 | 議院 | 議員 | 結果 | 理由 |
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1966年2月2日 | 参議院 | 重政庸徳 | 否決 | 秘書の暴力団交際疑惑 |
1997年4月4日 | 参議院 | 友部達夫 | 可決 | 詐欺罪による起訴 |
2002年6月21日 | 衆議院 | 鈴木宗男 | 可決 | 収賄罪による逮捕 |
2003年3月25日 | 衆議院 | 坂井隆憲 | 可決 | 政治資金規正法違反による逮捕 |
2006年3月17日 | 衆議院 | 西村眞悟 | 可決 | 弁護士法違反による起訴 |