除名
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除名(じょめい)とは、ある団体の構成員に対し、当該構成員の意に反して構成員たる地位を失わせる処分。
通常、当該構成員が団体の規則に違反し、それに対する制裁として行われる。この場合、地位の復権は認められない。
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[編集] 法律における除名
[編集] 議員の除名
国会議員の除名については日本国憲法第58条、国会法第122条、衆議院規則第245条、参議院規則第245条に、地方議員の除名については地方自治法第135条に規定している。除名処分は、院内の秩序を乱した議員が対象である。除名対象議員が所属する議院の本会議において出席議員の三分の二以上(地方議員は四分の三以上)の多数の賛成による議決が必要である。除名処分が下されると、議員の身分を失う。除名処分者は処分後の選挙で当選することによって、再び議員となることができる。
本会議採決日 | 議院 | 議員 | 理由 |
---|---|---|---|
1893年12月13日 | 衆議院 | 星亨 | 収賄疑惑によって議長不信任が議決されたにも関わらず、議長の座に固執したため |
1938年3月23日 | 衆議院 | 西尾末広 | 国家総動員法案の審議において近衛首相を「スターリンの如く」と賞賛した発言を逆に政友・民政両党が問題視したため |
1940年3月7日 | 衆議院 | 斎藤隆夫 | 反軍演説が軍部の反発を招いたため |
1950年4月7日 | 参議院 | 小川友三 | 本会議での予算案採決に際し、反対討論を行っていながら賛成票を投じたことが国会運営の原則を無視するものだとして野党の反発を招いたため |
1951年3月29日 | 衆議院 | 川上貫一 | 代表質問での不規則発言(政府・GHQの政策を反動と非難して社会主義国家と革命を賞賛、議会政治の否定とも受け取れる発言)への陳謝を拒否したため |
[編集] 民法上の除名
組合においては、正当な理由がある場合、他の組合員が全員一致すれば、組合員を除名することができる。ただし、この要件は組合の内規により緩和することができる。公益社団法人における社員(社団法人の構成員)の除名については、定款で定める(民法37条)。
[編集] 政党の除名
政党においても、党規則で反党行為に対する党員への除名を定めている。特に、国会議員の行動における政党の処分として注目される。