路側帯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
路側帯(ろそくたい)は、道路交通法で定められ関連法令で使われている用語で、道路の端寄りに道路標示によって区画された帯状の部分を指す。歩行者の安全のために、歩道がない道路又は道路の歩道がない側に設置され、車道と分離することにより基本的に歩道と同様に扱われる。道路交通法第十七条の「歩道等」には、歩道と路側帯が含まれている。高速道路など歩行者の通行が禁止されている道路においては、「車道の効用を保つため」に設置される。
目次 |
[編集] 通行方法
道路交通法十七条第一項により、原則として車両は、車道を通行することが定められており、横断・駐車・停車などの例外を除き、路側帯を通行することができない。第十七条の二により軽車両は、歩行者専用路側帯以外の路側帯を「著しく歩行者の通行を妨げる場合」を除いて通行することが認められている。自転車通行可の歩道とは、普通自転車以外の軽車両(リヤカー・大八車などの荷車や人力車、普通自転車の要件に該当しない自転車)も通行できる点が異なる。
なお、路側帯内を通行する軽車両については、第十七条第四項により「道路」から路側帯が除外されているため、道路の中央から左側の部分を通行すべきという左側通行の規則は適用されない。また、普通自転車が歩道を通行する場合とはちがい、路側帯の車道側を通行することを定めた規定もない。
[編集] 車道外側線等や車両通行帯との関係
路側帯は、歩道のない道路または道路の歩道が無い側の路端寄りに引かれた、白い実線等による区画線・道路標示により、示されているものである。ところが、道路の歩道がある側の路端寄り(車道の路端寄り)でも、見かけ上まったく同じ白の実線による区画線・道路標示を見かける。これは法令上は、路側帯には該当せず、単なる車道外側線(車両通行帯最外側線を含む。以下同じ。)に該当し、まったく別の扱いとなる。
上記のような車道外側線の外側(歩道側)は、道路交通法上は車道扱いとなる。そのため、進行方向右側の車道の路端寄りにある車道外側線の外側(歩道側。路肩を含む)を通行すると、逆走となる。特に自転車に多くみられるが、著しく危険な違法行為であるため、注意が必要である。
[編集] 要件と種類
路側帯には、以下の三種類がある。都道府県の公安委員会が路側帯を設置する場合、幅員を0.5m以上とすることとなっている
また、破線一本のみによる区画線・道路標示により示されている部分は、法令上は路側帯にはならない(交差点部分等に引かれている)。
- 路側帯
- 道路の端に引かれた白の実線により示される。自動車等は、この領域に進入して通行してはならないが(軽車両は通行できる)、車両の駐車・停車は認められている。ただし、その場合は、
- そのほかに駐停車を禁止するような条件がない(たとえば、駐停車を禁止する道路標識が立っていれば当然認められない)上で、
- 路側帯の内側に入って道路の端から0.75mの間隔をあけて駐停車しなければならない。(0.75mの根拠は、人間の肩幅と言われる)
- ただし、そのようにした場合に車両の全幅が路側帯の内側に入る場合には、車両の右側を路側帯の線に沿って駐停車しなければならない。
- また、路側帯の幅が0.75m以下のときには、車両は路側帯の線の右側に、線に沿って駐停車なければならない。
- ただし、高速道路等など歩行者通行禁止の道路では、これらにかかわらず、路側帯内で道路の左側端に沿って駐停車しなければならない(高速道路等では原則駐停車禁止。)。
- 駐停車禁止路側帯
- 路側帯の内側に、さらにもう一本白の破線があるもの(白実線+白破線)。この路側帯では、車両はどのような場合でも路側帯の内側に進入して駐停車してはならず、路側帯の線の右側に、線に沿って駐停車しなければならない。それ以外の点については、通常の路側帯と同様である。
- 歩行者専用路側帯
- 路側帯の内側に、さらにもう一本白の実線があるもの(白実線二重線)。この路側帯では、軽車両も進入して通行してはならない。それ以外の点については、駐停車禁止路側帯と同様である。
道路の端より0.5mまでの幅員を路肩という。明示、非明示によらず、車両は通行を禁止されているが現状は守られていない事例が多々ある。