速聴
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速聴(そくちょう)とは株式会社エス・エス・アイの登録商標になっている言葉である。 意味は、通常の数倍の速さで音声を聞くこと。 速聴は当初、アメリカで、教材を短時間で履修する目的で行われたが、このときは2倍速であった。 その課程で、集中力なども向上する被験者も出たため、様々な研究がなされたが、当時は2倍速が限度で、音質も悪かったため、そのままになった。日本でこれに着目したのは田中孝顕で、1980年代後半よりハードウエアの研究に取りかかり、可聴倍速4倍速までの聞き取りが可能なテープレコーダが株式会社エス・エス・アイによって製品化されたとエスエスアイは主張しているが倍速機は以前からあった。 量産が不可能なため、一台あたりの金額は高額となっている。最近時はメモリータイプの媒体が開発され小型化されたとエスエスアイの公式HPに記載されているが量産が不可能で一台あたりの金額が高額であるということは多少の疑問が残る。 エスエスアイが数百万円でセット販売しているプレイヤーがあるが 他社では数千円から高性能のものでは数万円で売られている。 そもそも倍速機自体にそこまでの価値が無いのであるにも関わらず エスエスアイのカタログの説明ではいかにも高価値だと錯覚させる見出し内容となっている。 またこの速聴を利用したエスエスアイが販売している商品は価格が数百万円するにも関わらず、強引な営業により購入する人間が後を経たない。 しかしその商品の実態は明らかに販売価格とは程遠いものであり、 過去に何度も訴訟を起こされたり消費生活センターに苦情が殺到している。 ネット掲示板やコミュニティサービスではもっぱら評判が悪い。 これは手口が90年代に首都圏で流行った自己啓発詐欺と同じであるため。 セミナービジネスの一種であるが、情報販売であることをいいことに超高額の値をつけて買わせることが問題である。 商行為であるために詐欺にはならないが、他の自己啓発セミナー系団体よりもはるかに本来の価値とはかけ離れた価格で個人向け商品を販売して莫大な利益を上げていることは事実である。 また、この会社の売る数百万円の商品はアメリカでは12万円で売られている。 実質的な商品内容はただのテープと本なので12万円でも高いと言われている。 積極的に雑誌などに広告を打っているため注意が必要である。
速聴を行うことは単純な耳の訓練ではなく、脳の様々な機能を活性化させる働きがあるとする立場もある。一説によれば速聴トレーニングによって集中力、記憶力、読解力、観察力、理解力、洞察力、判断力、決断力、想像力その他様々な能力を強化することができると言われているが 実際は一時的なものである。
専用教材が高く販売されている場合があるが、PC上では安価なソフトで速聴を行うことも可能である。ただし、速聴は何をどう聴くか、どういう目的を持って聴くか、ということの明確・不明確により、効用、あるいは持続性に影響を与えると考えられている。そのためか、PC上でダウンロードするソフトは、単にソフトを提供するだけ(聴く対象を欠く)なので、近時では衰退の傾向にあるというのは嘘である。
実際にPC上で速聴をする場合最も簡単なのがWindows Media Playerの再生速度変更機能を用いる事である。Media Playerを起動し、表示(V)→拡張設定(E)→再生速度の設定(L)を選択する。すると新しいフレームで設定画面が開くのでそこで設定する。安定して再生できるのは0.5~2倍速でそれ以上では音が飛ぶ事がある。再生速度を変更できるのは音声ではMP3・WMA形式。映像ではWMV形式なのでその他のファイルはこの形式に変換して使用する。再生する音源はとしてはCDを取り込んだりダウンロードしたりしたファイルを使う、テキストを読み上げ音声ファイルとして保存するソフトを使って好きな文章を音声ファイルにする、自分で音声や動画を記録して使うなどする。また、元々再生速度を速くしてあるニュースなどの音声ファイルを更に速くする事も出来る。