道後平野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
道後平野(どうごへいや)とは、重信川、石手川が形成した東西20㎞、南北17㎞の広大な扇状地で、愛媛県中部の松山市と東温市、伊予郡にまたがる沖積平野である。両河川も扇状地特有の伏流水(地下水脈)を形成しているが、少雨の気象条件のため安定していない。又、各地の中小河川は、暴れ回って扇状地を形成した両河川の名残である。松山の市街地が高台に位置するのは、洪水を避けるためであった。現在は河川改修も進んでいる。
[編集] 地理
松山市、伊予市、東温市、砥部町、松前町の5市町にまたがり、北は高縄山系に、南は四国山地に囲まれている。
河川は重信川、石手川、三坂川、小野川、中ノ川、堂本川である。 中でも重信川の流域面積は道後平野全体の半分を占める。三坂川は、砥部町で河岸段丘を形成し、集落は段丘上にある。
地形として、なだらかな扇状地を構成している。
松山市街地も完全な水平ではなく、道後付近から南西部にかけて傾斜している。(この緩やかな傾斜がくせ者で、上りと下りを錯覚するドライバーが多いのか、交通事故が多い。)
これは、三坂峠等の高台に上がればよく分かる。 温泉は、道後温泉をはじめ、各地に湧出して道後温泉郷を形成している。又、泉温は上(東温市方面)に行くほど高くなっている。(道後さや温泉=28℃、道後温泉=46℃、見奈良温泉=49℃)これは、中央構造線(断層)が熱源になっているからである。
又、丘陵部では温州みかんをはじめとする果樹が栽培されている。
[編集] 気候
瀬戸内海気候で年間を通して温暖寡雨であり、松前町以外は度々干ばつに悩まされている。愛媛県の人口の3分の1以上が道後平野に集中しているなど、人口の多い割に水源が乏しく、中予分水が長年の課題となっている。