伊予市
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2005年4月1日、伊予郡中山町、同郡双海町と対等合併し、新しい伊予市となった。
目次 |
[編集] 地理
- 山:谷上山(標高456m)
- 河川:大谷川、中山川(肱川の支流の一つ)
- 湖沼:大谷池
[編集] 地名の由来
- 地名の由来については、伊予国の項目参照。
[編集] 市名について
(旧)市名は「伊豫市」であるが、一般には旧字体の「伊豫市」・新字体の「伊予市」共に通用していた。1992年には部長通達で、正式文書以外では「伊予市」表記にするものとし、2004年に正式表記も「伊予市」となった。更に今回の合併でも「伊予市」が正式市名になった。
[編集] 歴史
- 古代・中世
- 弥生時代 弥生式の土器が出土していることから、このころ人が住み着き生活していた。
- 6世紀 山のふもとで農業が営まれ、伊予岡古墳などがつくられたと推定される。
- 藩政期
- 大洲藩主・加藤氏の願いにより、松山藩の伊豫・浮穴郡の37か村と、大洲藩領地の桑村、風早郡の57か村が対象となった。このため郡中地方は御替地と呼ばれるようになった。
- 1635年(寛永11年) この頃、郡中の灘町で商人が事業を営み始める。
- 1636年(寛永12年) 宮内九右衛門、清兵衛兄弟、御替地入殖。旧郡中を中心とする地域の開発に着手する。
- 1774年(安永2年) 本郡に塩田ができる。
- 1812年(文化8年) 岡文四郎、郡中港を作る。万安港(ばんあんこう)という。
- 1817年(文化13年) 大洲藩の布達により御替地から郡中に改称。
- 喜多地方(後の喜多郡)が郡内と呼ばれていたのにならって「郡中」としたものであろうといわれる。
- 近代(伊予市発足まで)
- 1871年(明治4年) 廃藩置県により、大洲、新谷県となる。後に宇和島県となる。
- 1872年(明治5年) 宇和島県が神山県と改称。
- 1872年(明治5年) 学制施行。各地に小学校ができる。
- 1878年(明治11年) 役所ができ、各村に戸長役場をおく。
- 1889年(明治32年) 市町村制施行。郡中町、南山崎村、北山崎村、南伊豫村ができる
- 北山崎村 弘安4年、河野通有が元寇の功により山崎の荘を賜り、寛永12年大洲藩に属す。明治22年の町村制実施に際して、三秋村、中村村、森村、本郡村、尾崎村、三島村、稲荷村を合併して北山崎村となった。
- 南山崎村 1889年(明治22年)に、大平村、鵜崎村、両澤村、上唐川村、下唐川村が合併して南山崎村となる。
- 南伊豫村 1885年(明治18年)に上野村ほか3か村を合併し発足。1889年(明治22年)に下三谷(しもみたに)部落を合わせて南伊豫村となる。
- 1896年(明治29年) 松山と郡中との間を汽車が走り始める(南予鉄道→伊予鉄道)。
- 1905年(明治38年) 郡中と中山(後の伊予郡中山町)とをつなぐ道ができて乗合馬車が走り始める。
- 1909年(明治42年) 郡中に電灯がともる。
- 1911年(明治44年) 郡中に公衆電話が通じる。
- 1917年(大正6年) 郡中で花かつおの製造始まる。
- 1929年(昭和4年) 各地にバスが通じる。
- 1930年(昭和5年) 国鉄予讃線が郡中へ延伸、郡中駅ができる(現在の伊予市駅)。
- 1937年(昭和12年) 伊予鉄道の汽車が郡中港駅へ延びる。
- 1940年(昭和15年) 郡中村と郡中町とが合併して郡中町となる。
- 1945年(昭和20年) 大谷池が完成。
- 1950年(昭和25年)伊予鉄道郡中線が電化、坊っちゃん列車姿を消す。
- 伊予市の発足
- 1955年(昭和30年)1月1日 伊豫郡郡中町、北山崎村、南伊豫村、南山崎村が合併(昭和の大合併)し、市制施行し、伊豫市となる。
- 1957年(昭和32年) 市庁舎落成。
- 1958年(昭和33年) 伊豫郡中山町平岡地区の一部を編入。
- 1961年(昭和36年) 国鉄 伊予横田駅設置。
- 1961年(昭和36年) 集団赤痢発生。
- 1962年(昭和37年) 港南中学校落成。
- 1969年(昭和44年) 寿東産業立地。
- 1973年(昭和48年) タケチ工業ゴム工場立地。
- 1981年(昭和56年) 愛媛厚生年金休暇センター開業。
- 1984年(昭和59年) えひめ森林公園開園。
- 1986年(昭和61年) 国鉄内子線開業。
- 1986年(昭和61年) 国鉄鳥ノ木駅設置。
- 1988年(昭和63年) 下三谷工業団地造成完了。
- 1989年(平成元年) 五色姫復活祭開始。
- 1990年(平成2年) JR予讃線電化される(伊予市駅以東)
- 1990年(平成2年) 愛媛県中予水産試験場落成。
- 1991年(平成3年) 台風19号の被害多数。
- 1993年(平成5年) 全国豊かな海づくり大会開催(愛媛県中予水産試験場ほか)
- 1994年(平成6年) 異常渇水により113日間給水制限。
- 1995年(平成7年) 高速船スピーダー就航(伊予港~大分港)
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- ※平成の合併の経緯については該当の節を参照のこと。
- 新伊予市時代
(資料)伊予市(旧市)市勢要覧ほか
[編集] 行政
- 歴代市長(旧・伊予市)
- 初代-城戸豊市(1955年~1期)
- 第2代-玉本善三郎(1959年~4期)
- 第3代-岡本要(1975年~5期)
- 第4代-増野英作(1995~1期)
- 第4代-中村佑(1999年(平成11年)~合併まで、2期)
- 歴代市長(新・伊予市)
- 初代-中村佑(なかむら たすく、旧・伊予市長)
[編集] 経済
かつては郡中港や灘町地域を中心とした中継交易地として発展した。 郊外では鳥ノ木団地等、松前町同様に松山のベッドタウン化が進んでいる。 また、郡中駅を中心とする旧市街地の高齢化による空洞化現象が進行中である。 伊予市では木村邸、宮内邸など市内各所に残る旧家や豪商(もしくは庄屋)宅を町家(一般概念で定義される京町屋ではないが、同市教や観光事業では町屋と定義付ている)として県内に対する観光誘致にも積極的である。伊予市駅前には地域振興のため、商家を模した町家と称する商業コミュニティーが存在する。
- 産業人口:約7000人(旧伊予市のデータ)
[編集] 第一次産業
- 農業 米、麦、野菜、花き、栗、梅、養鶏、養豚など
- 漁業 沿岸漁業中心で零細規模のものが多い。
[編集] 第二次産業
- 水産加工食品(削り節、調味料、チルド加工食品、煮干など)
- 農産加工食品(かんきつ加工品)
- その他
- セキ株式会社伊予工場
[編集] 第三次産業
[編集] 小売店
郡中駅を核とする旧市街地には商店街が形成されているほか、市庁舎近くにチェーンスーパー、郊外型飲食チェーンが展開されている。また、国道56号沿道の伊予警察署近辺はロードサイド型の小売店舗や飲食店、サービス業店、遊技場等が立地している。
- 等
[編集] 金融業
金融機関の店舗は主として郡中の中心部に立地している。このほか、中山、双海(上灘地区)等にも銀行の店舗がある。
- 等
広島銀行は郡中に支店があったが、撤退した。
[編集] 教育
[編集] 高等学校
- 愛媛県立伊予農業高等学校
- 愛媛県立中山高等学校
- 中山高校は定員割れが続いているので普通科廃止し、特用林産科を残し伊予農業高校の分校化が決まったが地元の声で存続している。
[編集] 中学校
- 伊予市立港南中学校
- 伊予市立伊予中学校
- 伊予市立中山中学校
- 伊予市立佐礼谷中学校
- 伊予市立上灘中学校
- 伊予市立下灘中学校
[編集] 小学校
- 伊予市立伊予小学校
- 伊予市立郡中小学校
- 伊予市立南山崎小学校
- 伊予市立北山崎小学校
- 伊予市立中山小学校
- 伊予市立佐礼谷小学校
- 伊予市立下灘小学校
- 伊予市立翠小学校
- 伊予市立由並小学校
[編集] 隣接している自治体
[編集] 交通
[編集] 鉄道路線
[編集] JR四国(四国旅客鉄道)
[編集] 伊予鉄道
[編集] 道路
[編集] 高速道路
[編集] 一般国道
[編集] 都道府県道
- 愛媛県道16号松山伊予線
- 愛媛県道22号伊予松山港線
- 愛媛県道23号伊予川内線
- 愛媛県道42号久万中山線
- 愛媛県道53号大平砥部線
- 愛媛県道54号串内子線
- 愛媛県道214号八倉松前線
- 愛媛県道215号郡中港線
- 愛媛県道218号北伊予停車場線
- 愛媛県道219号砥部伊予松山線
- 愛媛県道221号広田双海線
- 愛媛県道222号中山双海線
- 愛媛県道223号中山砥部線
- 愛媛県道224号永木内子線
- 愛媛県道225号中山伊予線
- 愛媛県道226号串中山線
- 愛媛県道241号池田中山線
- 愛媛県道243号内子双海線
- 愛媛県道307号野中長沢線
- 愛媛県道329号石畳中山線
[編集] 道の駅
- ふたみ(国道378号)
[編集] 船舶
- 郡中港 県管理港湾。
定期旅客航路なし。かつては大分ゆき高速船が発着したがすぐに廃止された。 さらに昔には大洲藩の物資の積出港としても栄えた。これに由来する「米湊」(こみなと)の地名が残る。また、現在県営ヨットバースになっている内港は、在郷の豪商木村氏、元大洲藩士で郡中町長だった藤谷氏の個人資産で整備された交易港の名残である。内港脇の神社に経つ藤谷氏胸像はそれを記念して建てられたもので、本来は全身像であったが、前大戦時に供出させられたため胸像となっている。また台座の碑文は陸軍大将秋山好古の筆によるものである。
[編集] 主要施設・観光地
- 五色浜
- ウェルサンピア伊予(愛媛厚生年金休暇センター)
- 谷上山(たがみさん)
- 大谷池
- 栗の里公園
- 道の駅ふたみ(双海シーサイド公園)
- 町家
[編集] 銘菓
- 花がつお
- 栗
[編集] 祭り・芸能
- いもたき(五色浜)
- 住吉まつり(住吉神社)
[編集] 出身有名人
- 福岡正信(自然農法の生みの親)
- 武田大作(ボート)
- 藤井秀悟(プロ野球投手・東京ヤクルトスワローズ)