適者生存
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適者生存(survival of the fittest)とは、チャールズ・ダーウィンの進化論において、個々に"struggle for existence"(「生存競争」や「生存闘争」と翻訳される事が通例だが、正確には「存在し続けるための努力」と翻訳した方が正確)に努める生物の個体のうち、最も環境に適した形質をもつ個体が生存の機会を保障されるとされる概念に対して、社会進化論の提唱者である哲学者のハーバート・スペンサーが発案した造語。自然淘汰によってある種に変化をもたらすメカニズムを的確に表現するとみなされ、普及した。
俗に「適者生存=強者」とされるときがあるが、環境にもっとも適応した結果の適者なのであるので、「強い弱い」の価値尺度はあまり意味がない。
種内のある個体の遺伝しうる形質が最も環境に適しているなら、その個体より増えた子孫は、その種の中で、より増え広がる確率が高くなる。結果的に今現在生存している種は、環境に適応し増え広がることの出来た「最適者」の子孫ということになる。