電話番号計画
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電話番号計画(でんわばんごうけいかく)は、電話番号を加入者や電気通信サービスに重複や矛盾なく割り当て管理するものである。国際公衆交換電話網ではITU-T勧告E.164で規定されている。
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[編集] E.164電話番号の割り当ての仕組み
総桁数は、15桁以下と定められている。
次のような、階層構造となっている。
既存の電話番号の大幅な変更は、国内だけでなく国際的な広報活動が必要なため手間がかかるものである。
[編集] 電話番号の割り当ての対象
クロスバー電話交換機以前の交換機では、基本的に電話局番号 - 交換機の番号 - 交換機からの出線番号であった。船舶電話・自動車電話等の移動体通信は、存在地域番号 - 端末番号であった。
電子交換機以降は、ダイヤルインやフリーダイヤル等のサービス識別のために割り当てられるようになった。
電気通信事業の自由化に伴い、事業者識別番号 - 相手先電話番号の形式も使用されるようになった。また、空き市内局番方式のサービス提供(各国における無線呼び出し・北米における携帯電話など)・直収電話・通常の市外局番のIP電話への割当てのため、地域番号 - 事業者識別番号 - 加入者識別番号の考え方での割り当ても行われるようになった。
IP電話・携帯電話などは、端末の交換・使用場所の移動に対応するため、電話回線や端末へではなく、サービスアカウントへの割り当てとして運用されている。
[編集] 閉域番号と開放番号
閉域番号とは、割り当て番号の下位の桁を利用して使用する確率の高い通話先を発信するものである。
開放番号とは、より多くの番号を指定できるように割り当て番号の上位の桁まで利用するものである。
日本の公衆電話網からの発信の場合次のようになる。
- 同一電話加入区域内の固定電話相互間の場合、市内局番からダイヤルする。
- その他の国内通話は国内開放番号指定の"0"を頭につけ、国識別番号の"81"を除いた番号をダイヤルする。
- 国際電話の場合、国際開放番号指定の"010"を頭につけてE.164番号をダイヤルする。
[編集] 日本の公衆交換電話網の電話番号計画
日本の電話番号計画は、電気通信事業法で次のように定められている。
- 電気通信事業者は電気通信番号が総務省令で定める基準に適合するようにしなければならない。(第50条)
- 総務大臣は適合していないと認めるときには、その基準に適合するように当該電気通信番号を変更することを命じ、又はその使用を禁止することができる。(第51条)
また、基準は次のような観点で定められることになっている。(第50条2項)
- 電気通信番号により電気通信事業者及び利用者が電気通信設備の識別又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にできるようにすること。
- 電気通信役務の提供に必要な電気通信番号が十分に確保されるようにすること。
- 電気通信番号の変更ができるだけ生じないようにすること。
- 電気通信番号が公平かつ効率的に使用されるようにすること。
さらに、電気通信番号が割り当てられている電気通信事業者は、使用状況の定期報告を行うことが定められている。(電気通信事業報告規則第8条)
[編集] 日本の公衆交換電話網以外の電話番号計画
公衆交換電話網と相互接続されない場合は、数字以外の文字記号を自由に使用するなど独自に定めてよい。→インターネット電話・有線放送電話・鉄道電話#JRホットラインも参照。
公衆網と相互接続する場合、E.164電話番号との整合性が問題となる。
[編集] 内線電話の番号計画
内線電話番号の桁数は、クロスバー交換機では3桁、デジタル・電子交換機では4桁であるものがほとんどである。各端末に割り当てられる番号の1桁目は、外線への開放番号指定"0"や、特殊機能指定用の番号(8または9が多い)を除いたものである。また、外線への発信を"0"発信と呼ぶことがある。
ダイヤルイン方式の場合、その電話番号の下位桁を使用する閉域番号が使用されることがある。また、複数拠点を結ぶものの場合、拠点番号を前置きするものもある。
[編集] 中華人民共和国の電話番号計画
中華人民共和国における電話番号は、地域ごとに与えられた番号(2桁ないし3桁。ただし、中華人民共和国内で長距離電話をかける際は先頭に0を加えて3桁ないし4桁)と、日本における市内局番以下の電話番号に当たる7桁ないし8桁の番号からなる。