青木昌彦
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青木 昌彦(あおき まさひこ、男性、1938年4月1日 - )は、経済学者。専門は比較制度分析。1990年日本学士院賞。スタンフォード大学名誉教授、京都大学名誉教授、中国人民大学名誉教授。2005年国際経済学連合次期会長選出(都留重人に次ぎ日本人として2人目)。
愛知県名古屋市生まれ。1960年東京大学経済学部卒業、1964 東京大学大学院経済学研究科博士課程前期課程修了、1967年ミネソタ大学大学院博士課程修了。
学生時代は共産主義者同盟(ブント)の指導部の一人。東大在学中に姫岡玲治の筆名で執筆した論文「民主主義的言辞による資本主義への忠勤-国家独占資本主義段階における改良主義批判」は、「姫岡国独資」と呼ばれ、共産主義者同盟の理論的支柱となった。
学生運動から離脱後、東大大学院に進学して近代経済学に転じた。1967年スタンフォード大学助教授、1969年京都大学経済研究所助教授、1977年同教授、1984年スタンフォード大学教授、2001年京都大名誉教授。1997年から2004年まで経済産業研究所第2代所長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授等も務めた。
平尾昌晃は、中学時代のクラスメイト。
比較制度分析において国際的に知られ、ノーベル経済学賞の受賞の可能性がもっとも高い日本人の研究者の一人であるとしばしば指摘されている。
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[編集] 社会的活動
- 日本学術振興会21世紀COEプログラムプログラム委員会委員(平成18年度)
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『組織と計画の経済理論』(岩波書店, 1971年)
- 『企業と市場の模型分析』(岩波書店, 1978年)
- 『現代の企業――ゲームの理論からみた法と経済』(岩波書店, 1984年/岩波モダンクラシックス, 2001年)
- Information, Incentives, and Bargaining in the Japanese Economy, (Cambridge University Press, 1988).(永易浩一訳『日本経済の制度分析――情報・インセンティブ・交渉ゲーム』筑摩書房, 1992年)
- 『日本企業の組織と情報』(東洋経済新報社, 1989年)
- 『経済システムの進化と多元性――比較制度分析序説』(東洋経済新報社, 1995年)
- Information, Corporate Governance, and Institutional Diversity: Competitiveness in Japan, the USA, and the Transitional Economies, trans. by Stacey Jehlik, (Oxford University Press, 2000).
- Toward a Comparative Institutional Analysis, (MIT Press, 2001).(瀧澤弘和・谷口和弘訳『比較制度分析に向けて』NTT出版, 2001年/新装版, 2003年)
- 『移りゆくこの十年動かぬ視点』(日本経済新聞社[日経ビジネス人文庫], 2002年)
[編集] 共著
[編集] 編著
- 『ラディカル・エコノミックス――ヒエラルキーの経済学』(中央公論社, 1973年)
- 『経済体制論(1)経済学的基礎』(東洋経済新報社, 1977年)
- The Economic Analysis of the Japanese Firm, (Elsevier Science Pub., 1984).
[編集] 共編著
- The Firm as a Nexus of Treaties, co-edited with Bo Gustafsson and Oliver E. Williamson, (Sage, 1990).
- The Japanese Firm: the Sources of Competitive Strength, co-edited with Ronald Dore, (Oxford University Press, 1994).(NTTデータ通信システム科学研究所訳『国際・学際研究システムとしての日本企業』NTT出版, 1995年)
- The Japanese Main Bank System: Its Relevance for Developing and Transforming Economies, co-edited with Hugh Patrick, (Oxford University Press, 1994).(東銀サーチインターナショナル訳『日本のメインバンク・システム』東洋経済新報社, 1996年)
- Corporate Governance in Transitional Economies: Insider Control and the Role of Banks, co-edited with Hyung-Ki Kim, (The World Bank, 1995).
- (奥野正寛)『経済システムの比較制度分析』(東京大学出版会, 1996年)
- The Role of Government in East Asian Economic Development: Comparative Institutional Analysis, co-edited with Hyung-Ki Kim and Masahiro Okuno-Fujiwara, (Clarendon Press, 1996).(『東アジアの経済発展と政府の役割――比較制度分析アプローチ』日本経済新聞社, 1997年)
- The Institutional Foundations of East Asian Economic Development: Proceedings of the IEA Conference held in Tokyo, Japan, co-edited with Yujiro Hayami, (Macmillan, 1998).
- (奥野正寛・岡崎哲二)『市場の役割国家の役割』(東洋経済新報社, 1999年)
- Finance, Governance, and Competitiveness in Japan, co-edited with Gary R. Saxonhouse, (Oxford University Press, 2000).
- (寺西重郎)『転換期の東アジアと日本企業』(東洋経済新報社, 2000年)
- Communities and Markets in Economic Development, co-edited with Yujiro Hayami, (Oxford University Press, 2001).
- (澤昭裕・大東道郎)『大学改革――課題と争点』(東洋経済新報社, 2001年)
- (安藤晴彦)『モジュール化――新しい産業アーキテクチャの本質』(東洋経済新報社, 2002年)
- (鶴光太郎)『日本の財政改革――「国のかたち」をどう変えるか』(東洋経済新報社, 2004年)