高千穂橋梁
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高千穂橋梁(たかちほきょうりょう)は、高千穂鉄道高千穂線の天岩戸駅~深角駅間に存在する、岩戸川の渓谷を跨ぐ3径間連続上路鋼トラス橋である。日本において、最も水面からの高さが高い鉄道橋として知られる(日本一の一覧も参照)。
現在は、高千穂線が2005年の台風被害により営業を休止しているのに伴い、同橋梁での列車運行は行われていない。
[編集] 概要
- 全長:352.5m
- 水面からの高さ:105m
- 位置情報:北緯32度42分25.42秒東経131度19分44.43秒
橋梁の全景は、旧高千穂線に並行する国道218号を走る宮崎交通代行バスの車窓から、見ることができる。
1972年7月22日の日本国有鉄道(国鉄)高千穂線日ノ影~高千穂間開業時に、供用を開始した。元来、この付近は、五ヶ瀬川の支流となる中小の河川によって深い渓谷が形成されており、古来より交通の妨げとなっていた。国鉄では直線ルートでここの横断を目指した結果、このような高い鉄橋が出現する事になった。
この鉄橋の完成以前は、高森線の第一白川橋梁(高さ64.5m)が日本一の高さを誇る鉄道橋であったが、記録を40mも一度に塗り替える事になった。
高千穂線は、ローカル線としての趣きが強く利用者に恵まれなかったため、国鉄時代から乗客へのサービスとして鉄橋の上で列車を一時停止させ、窓から外をのぞかせる様なことをしており(談:宮脇俊三『汽車旅12カ月』1979年当時)、高千穂線が第三セクター鉄道会社の高千穂鉄道へ移管された後は、ここなど沿線の風景を見所にしたトロッコ列車も運行された。
2005年9月6日、台風14号の影響で、高千穂線は甚大な損害を受けたため休止となり、この橋の使用も停止された。
この被害からの復旧に膨大な費用がかかることが見込まれ、高千穂鉄道では鉄道事業の廃止を決定しているが、高千穂町財界有志等が出資した神話高千穂トロッコ鉄道により、この橋梁を挟む一部区間での営業継続・運行再開が模索されている。しかし、橋梁の今後を含め詳細は明確になっていない。
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