高木彬光
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高木 彬光(たかぎ あきみつ、1920年9月25日 - 1995年9月9日)は日本の推理小説作家。 戦後の本格推理小説界の巨匠。本名は高木 誠一。
[編集] 来歴
青森県青森市生まれ。旧制青森中学校(現青森県立青森高等学校)、第一高等学校を経て京都大学工学部冶金学科卒。京大卒業後、中島飛行機に就職したが太平洋戦争終結に伴い職を失う。1947年、骨相師の勧めにより小説を書くことを志し、出来上がった『刺青殺人事件』が乱歩に認められて翌年(1948年)出版の運びとなり、推理作家としてデビュー。
他、代表作に『能面殺人事件』(1949年)、『わが一高時代の犯罪』(1951年)、『人形はなぜ殺される』(1955年)、『成吉思汗の秘密』(1958年)、『白昼の死角』(1960年)、『破戒裁判』(1961年)など。主要作品に登場する探偵は神津恭介(かみづきょうすけ)。そのほか百谷泉一郎弁護士、霧島三郎検事など、魅力的な探偵キャラクターの創造で知られる。易に造詣が深いことでも知られ、易に関する著作もある。
晩年は脳梗塞を幾度も発症し、その後遺症に苦しんだ。
[編集] エピソード
- 「謎の美人易者」として一世を風靡した黄小娥の大ファンであった。手相にも詳しく、昭和56年には角川文庫より「手相占い」が出版された。
- 『成吉思汗の秘密』 、『邪馬台国の秘密』および『古代天皇の秘密』は、いずれも神津恭介が入院中の退屈しのぎに歴史上の謎に挑むという長編小説であり、これらの作品は、ジョセフィン・テイ(Josephine Tey)の『時の娘』(原題「The Daughter of Time」,1951年)に端を発した病院のベッドで動けない探偵が極めて限られた情報から推理する「ベッド・ディティクティヴ」という形式をとっている。
- 坂口安吾の未完の探偵小説『復員殺人事件』に、『樹のごときもの歩く』と題した後半部分を加筆して完結させた。
- 時代小説、SF小説も執筆した。