高槻涼
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高槻 涼(たかつき りょう)は、七月鏡一原案協力、皆川亮二作画の漫画作品『ARMS』の主人公である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 第一部 覚醒篇
東京都藍空市立高校に通う17歳。右腕にオリジナル ARMS "ジャバウォック"(魔獣)を宿す。血液型はO型。幼いころにガス爆発の事故に遭い、右腕に切断を余儀なくされるほどの重傷を負うが、奇跡的に完治する。実はこの事故はエグリゴリの工作で、その時の手術の際に ARMS を移植された。冷静沈着な性格で、幼いころから父親からサバイバル技術を叩き込まれてきたため、いかなる状況でも機転や的確な判断力を発揮できる強靭な精神力の持ち主である。同時に両親の教育によって、戦いの世界の中でも人間らしさを失わない強さを持ち、それによって、ジャバウォックが常に囁きかける破壊衝動に打ち勝ち、制御していく。
幼馴染の少女カツミとともに、普通の高校生としての生活を送っていたが、同じ ARMS の持ち主隼人が転校してきた時、高槻の運命は動き出す。自分を仇と勘違いして襲い掛かる隼人との戦いの中、ARMS を捕獲するためにエグリゴリの刺客「クロウ(爪)」が高槻の前に現れ、その魔手がカツミに伸びようとした時、高槻の ARMS は覚醒する。そのとき高槻は、怪物のように変化して暴れ狂い、”クロウ”を叩きのめした自分の右腕にショックを受けたが、持ち前の精神力ですぐに気持ちをたて直し、隼人とも和解し、残る ARMS を探し出して、エグリゴリに立ち向かうことを決意する。
3人目の ARMS である武士が藍空高校に転校してきたと同時に、次のエグリゴリの刺客、アル・ボーエンとジェフ・ボーエンの「チャペルの双子」が来襲し、高校を舞台に戦いを繰り広げる。高槻と隼人は、自分の殻を破って勇気を振る武士と共に、双子が仕掛けた「ゲーム」に打ち勝つ。その時、高槻たちはエグリゴリの命令で双子を始末するために現れた、隼人の仇「キース」と対面する。双子の一人ジェフを殺害し、猛る隼人を軽くあしらうキースの強さに、高槻は戦慄する。キースは「真実を知りたければ鐙沢(あぶみさわ)村へ行け」という言葉を残し、去る。
その後隼人の祖父の助言も受けて、高槻たちは双子の生き残りアルを加え、ARMS の謎を解き明かすために「鐙沢村」に向かう。奇怪な雰囲気が立ちこめるその村で、危険に晒させないために残してきたが、黙ってついてきたカツミや、エグリゴリがかかわる事件を追う兜刑事と合流し、エグリゴリの襲撃を受けながらも探索を続ける中、強敵「クリムゾン・トライアッド」と対面する。高槻は、その一人ガシュレーとの戦いで「ARMS を移植されたときから、戦士として生きることを宿命付けられている」という言葉に動揺しながらも、「カツミたちとの普通の生活」という、高槻にとっての現実世界に帰るために、ガシュレーを打ち破る。しかしこのときすでに、ガシュレーとの死闘が呼び水となって全身の ARMS、つまりジャバウォックの完全体への覚醒が進行しつつあった。
「クリムゾン・トライアッド」を退け、エグリゴリの科学者メアリー・カッツの手引きで、高槻たちはついに「鐙沢村」の中枢施設の研究所へ侵入する。そこで高槻たちは、おびただしい数の ARMS の実験体のサンプルが並ぶ、凄惨な光景を目にする。そして高槻たちはカッツ博士から、この実験を行った自分たちは反エグリゴリ組織「ブルーメン」であること、高槻たち ARMS 適正者は、世界中から集められた遺伝子を選りすぐって、この実験場で生み出されたという「真実」を告げられる。その言葉によって、高槻のなかで自分の両親や今までの普通の生活という「現実」が崩壊していく。そして「キース・レッド」が率いるエグリゴリの部隊も、鐙沢と高槻たちを抹殺するために迫ろうとしていた。恐るべき真実と、迫りくる脅威を前に、高槻は大切なカツミたちとの元の生活に帰るために奮い立ち、キースを迎え撃つ。
しかしキースの率いる軍隊は、圧倒的な力で容赦なく村と村の人間たちを焼き払っていき、カッツたち「ブルーメン」もその手にかかる。ガシュレーの抵抗もむなしく、高槻に「戦士として生きろ」と言い残して倒れる。そして高槻に駆け寄るカツミが、高槻が手をのばそうとするその目前で、焼夷弾の爆発の中に消える。最愛のカツミを焼いた業火を前に、高槻の怒りと憎悪は臨界に達し、高槻は異形の姿に変わる。荒れ狂う高槻は、隼人たちを追い詰めるエグリゴリのヘリを次々と破壊していき、キースに深手を負わせる。キースは、恐怖におののく部下たちに撤退を命じ、隼人たちは絶体絶命の危機を脱する。異形から人間の姿に戻り放心する高槻を見て、アルは「僕たち人間の時代は終わろうとしているのかもしれない」と慄く。ついに、魔獣(ジャバウォック)が「覚醒」したのであった。
[編集] 第二部
最愛のカツミの死により希望を失い、「これ以上周囲に迷惑はかけられない。」と、近所の廃ビルで寝泊りする涼。エグリゴリの派遣したサイボーグ部隊との戦いで、自我を失いかけそれを隼人に指摘され体だけでなく心までがジャバウォックに侵食されてきている己への恐怖の中一人川原へ向かう。そこで自分の中に住まう魔獣に(自分自身に?)「お前は何者なんだ!?」と問いかける。そこでなんとカツミそっくりの4人目のARMS「久留間恵」に出会う。恵は自分が反エグリゴリ組織「ブルーメン」の一員であることを告げ高槻ら3人を強制的にブルーメンの管理下におき、対エグリゴリ作戦チームに編入させるため戦いを挑む。恵のARMS「クイーン・オブ・ハート」は目に移植されたタイプで、「周りの大気の動き、あなた達の筋肉の収縮、さらに眼球の動きの全てを捕らえる事ができる。」という。そのARMSの力により隼人・武士は倒されてしまうが、涼のジャバウォックの意思に反した発動により危ないところで勝つことができた。そこで、恵は「カツミに関して情報を持っている」と言い、ブルーメン本部に案内する。そこで涼たちはブルーメンがエグリゴリにハッキングして手に入れた情報を見せられる。その情報とは、カツミ・Aという人物がVIP待遇でどこかの国に運ばれたことを示す文章と、カツミの写真であった。それを見て再び希望を取り戻した涼は街を出る決心をする。
[編集] 関連項目
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