幼馴染
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幼馴染(おさななじみ)は、子供の頃に親しくしていた友達を言う。遊び始めた時期に関して厳密な定義はない。だが、2~6歳の頃を幼児期といい、大体この時期の友人をさすことが多い。この時期は子供の行動範囲が広まる時期でもある。幼馴染は内心も話せることが多いが、それゆえにお互いの行動が雑になりがちな事もある。
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[編集] 研究
幼馴染の男女が恋に落ちるという設定は日本のメディア作品などに見られる。しかし、実際には幼少期から一緒の生活環境で育った相手に対しては、次第に性的興味を持つ事は少なくなるとされ、これを19世紀の提唱者のエドワード・ウェスターマークの名をとって『ウェスターマーク効果』と呼ぶ。この考えは初めは受け入れられなかったが、メルフォード・スパイロが1950年代に、イスラエルではキブツ(共同保育施設)において皆が幼馴染のような状況にあるのだが、ある年齢まで一緒に生活していた仲間とは結婚を避ける傾向が見られたと述べたことで復活する[1]。シェーファーは2769組のキブツ出身者の結婚を調査したが、同じキブツの出身者同士の結婚はそのうちのわずか13組に過ぎなかった[2]。ただしスパイロはその研究において異性関係そのものは活発にみられたとも報告しており、結婚が少ないのはそのような性的衝動の抑圧によるものだと解釈している。また、ウェスターマーク効果の定義は同居(キブツの場合は共同保育施設)を前提とし近親相姦禁止のメカニズム(例えば兄妹相姦が成立しないのは何故か)を説明する理論であり、近隣の別家庭の子供との人間関係を前提とした幼馴染の定義とは合わないことにも注意が必要である。
対人関係上は、幼馴染は親の働きと関連する可能性があるという説がある。対人関係を重視した新フロイト派のハリー・スタック・サリヴァンの理論によると1,2~4,5歳位までの時期においては伴侶性の欲求が見られ、両親と一緒に遊ぶ事で他人との共同で遊ぶ楽しさを深めていく時期であるとされ、もしこの欲求が果たされなければ子供は孤立していくとされる。
[編集] 著名な幼馴染
有名な幼馴染にはマイケル・ジャクソンとキャシー・ヒルトン(パリス・ヒルトンの母)などがいる。
現実において幼馴染を溺愛した有名な例は暴君として「東のバカ殿様」という意味の名が後に付けられた東昏侯宝巻などの例などがある。
山形一家殺人事件のように幼馴染を殺害した事件もある。この事件は加害男性が被害男性に性的いじめを受け、その復讐事件として起こった事件である。
[編集] サブカルチャーの幼馴染
「転居等で離ればなれになっていた幼馴染と再会する」という展開は文学等でよく使われる。特に幼馴染の男女が再会する展開は『伊勢物語』の「筒井筒」以来しばしば用いられてきた。この幼馴染という設定は戦後発達した漫画、アニメといったサブカルチャーにおいても活用された。そして、再会する設定だけでなく昔からずっと交遊関係にある設定も用いられてきた。その設定が効果的に用いられた著名な例としては、歴代高視聴率アニメにも数えられるタッチの上杉達也・和也と浅倉南を挙げることが出来よう。
サブカルチャーにおいてさらに幼馴染が注目されるようになったのは、1990年代からギャルゲー・アダルトゲームにおいて登場人物間の人間関係における定番のシチュエーションとして用いられ、しかもそれぞれがヒーロー、メインヒロインといった主人公クラスの設定に頻繁に使用されたことによると考えられる。この意味での幼馴染のはじまりはギャルゲーの元祖ともいわれる「ときめきメモリアル」の藤崎詩織に求めてもよいであろう。その直接的影響を受けると受けないとに関わらず、以後月宮あゆ(Kanon)、神岸あかり(To Heart)らのメインヒロインを中心に多くのゲームにおいて用いられる設定となった。
このような作品における幼馴染キャラクターの典型的な類型は以下のようなものである。
- 家が近く、幼少時から家族ぐるみのつきあいをしている。
- 同じ学校の同じクラスに通っている、あるいは近所であることから登下校を共にする。
- 友人などから仲をひやかされる状況にある。
- 昔の出来事や秘密を共有しており、そのことで互いにからかったり、思い出にひたったりする。
- 相手を恋愛対象として見ていないが、何かのきっかけでそのことに気付かされる。
- 従兄妹(従姉弟)の場合、住居を共にしている場合もある。
幼馴染はキャラクターを設定するにあたり、幼少時から深い絆で結ばれた関係や、第三者を介入しない秘め事を持たせるのに利便性がある。幼馴染独特の親密さを維持できる時期が多感な時期であることからラブコメ展開が傾向としてあげられる。このように当初から親しい関係であることが多いことは、必然的に登場機会が増える結果として、主人公クラスに向いている設定となった理由の一つであろう。幼馴染の関係が結ばれるのは幼稚園から小学校にかけてが多いため、登場人物の年齢は一般に中学生以上で特に高校生間の関係で多く見られる。ただし、中には高校生時代の交遊の記憶に基づいた大人同士の関係などもみられる(厳密に幼馴染と呼ぶべきかどうかはともかく)。
ギャルゲーなどでは、幼馴染が主人公に対しての呼称にファーストネーム+「ちゃん付け」あるいは「くん付け」の場合も多く、妹タイプの「お兄ちゃん」や、お姉さんタイプで見られる年上からの「ちゃん付け」などとは違う、独特な雰囲気を醸し出す。
[編集] 代表的作品
- Pia♥キャロットへようこそ!!
- With You ~みつめていたい~
- Wind -a breath of heart-
- Canvas ~セピア色のモチーフ~
- Canvas2 ~茜色のパレット~
- To Heart
- ToHeart2
- まじかる☆アンティーク
- ONE~輝く季節へ~
- Kanon
- 同窓会
- D.C. ~ダ・カーポ~
- バイナリィ・ポット
- 月は東に日は西に ~Operation Sanctuary~
- みずいろ
- センチメンタルグラフティ
- ときめきメモリアル
- ときめきメモリアル2
- Memories Off
- 機動戦艦ナデシコ
- つよきす
- しぇいむ☆おん
- SHUFFLE!
- マブラヴ
- マブラヴ オルタネイティヴ
- よつのは
- Gift
- Gift -Prism
[編集] 歌謡曲
幼馴染を扱った歌謡曲も数多くみられる。霧島昇の『誰か故郷を想わざる』(詩: 西条八十)、デューク・エイセスの『おさななじみ』(詩: 永六輔)、トワ・エ・モワの『或る日突然』(詩: 山上路夫)『空よ』(詩: 難波寛臣)、やまがたすみこの『あの日のことは』(詩: 山県すみ子)、SWAY(さそり座)の『幼なじみ』、藤本美貴の『幼なじみ』(詩:つんく)と枚挙に暇がない。
[編集] 関連項目
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