鶴亀算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鶴亀算(つるかめざん)は文章題の一種。文章題の中でも最も有名な問題である。複合鶴亀算としては、つるかめトンボ算などと呼ばれている問題がある。2段階の鶴亀算で解ける。
目次 |
[編集] 歴史
中国の数学書、孫子算経にある、キジとウサギの数を求める問題が始まりとされている。 それが、江戸時代、おめでたい動物のツルとカメに置き換えられて、この名前になった。
[編集] 例題
- ツルとカメがあわせて8匹、足の数があわせて26本であるとき、ツルとカメは何匹いるか。ただしツルの足は2本、カメの足は4本である。
[編集] 解法
- 鶴亀算を解くとき、一般的な解法として知られているものとして、「とりあえず全部ツルであるとみなす」というものがある。この方法に従って上の問題を解くと、
- とりあえず8匹すべてがツルであるとすると、足の数は、2*8=16で、全部で16本となる。これは問題にある26本に比べて10本少ない。
- この10本の差を、ツルとカメを交換することによって補っていけばよい。(つまり、ツルを一匹ずつ減らし、カメを一匹ずつ増やしていく。)
- 一回の作業ごとに、ツルとカメの足の本数の差として、足の数が2本ずつ増えていくので、10本の差を埋めるには、10/2=5で、この作業を5回行えばよい。つまり、カメは5匹ということになる。
- これより、答えは、ツル3匹、カメ5匹である。
- 面積図を使った解法
- たてに1匹の足の数、横に頭数、面積を足の数にする。
- 2×8=16(本)
- 26-16=10(本)
- 4-2=2(本)
- 10÷2=5(匹)
- 8-5=3(匹)
- ■答え■ツル3匹、カメ5匹
- 中学数学の方程式の初歩的な問題
- また、中学数学の方程式の初歩的な問題としてよく用いられる。一般的に、xをツルの数、yをカメの数とすると、aはツルとカメの合計、bに足の合計で、
- x+y=a
- 2x+4y=b
の連立方程式に表せるような文章題である。しかし、ツルとカメの足の本数が2と4で自明であるから
の式でも求められる。 ちなみに例題は、
- x+y=8
- 2x+4y=26
もしくは
となり、答えがx=3、y=5で、ツルが3匹、カメが5匹となる。
[編集] 複合例題(鶴亀トンボ算1)
ツルと亀とトンボがいます。頭の個数が合計30個、足の数が118本あり、トンボの頭が亀の頭の2倍よりも2個多いとき、ツルの頭が何個ありますか。
[編集] 解法
トンボを2頭分除く,
頭の数が28個,足の数が106本,トンボの頭が亀の頭の2倍となる。
亀とトンボの足の平均は(4+12)÷3=16/3
(28×16/3-106)÷(16/3-2)=13
■答え■13個
[編集] 複合例題(鶴亀トンボ算2)
ツルと亀とトンボがいます。頭の個数が合計30個、足の数が118本、羽の数は74本ある。ツル、かめ、トンボの頭の個数はそれぞれ何個ありますか。
[編集] 解法
足と羽の合計は118+74=192(本)
ツルも亀も足と羽の合計は4本,トンボだけ10本であることから
(30×10-192)÷(10-4)=18(個)……ツルと亀の頭の合計
30-18=12(個)……トンボの頭
74-4×12=26(枚)……ツルの羽
26÷2=13(個)……ツルの頭
18-13=5(個)……亀の頭
■答え■ ツル13 亀5 トンボ12