黄鉄鉱
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黄鉄鉱(おうてっこう、パイライト、Pyrite)は硫化鉱物の一種。
鉄と硫黄からなり、化学組成はFeS2で表される。等軸晶系で、主に六面体や八面体、五角十二面体の結晶形を示す。色は真鍮色で金属光沢を持つ。条痕色は緑黒色。外見は黄銅鉱と似るが、条痕色により区別できる。硬度は6-6.5、比重は4.95-5.10。理想的な物は、硫黄53.4%、鉄46.6%である。
その淡黄色の色調により金と間違えられることが多いことから、「愚者の黄金」(fool's gold:1872年初出)とも呼ばれる。方鉛鉱などと供に、半導体性があり、鉱石検波器として鉱石ラジオなどに使用されたことがある。なお、黄鉄鉱はハンマーなどで叩くと火花が飛び散る。英名である「パイライト」は、ギリシャ語の「火花」から来ている。