CR機
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CR機(しーあーるき)とはプリペイドカードに対応したパチンコ遊技機のこと。CRとはCard Readerの略である。ただ、最近ではプリペイドカードよりICカードが主流となっている。
CR機とは上記のように玉貸しに関する区分なので、海物語シリーズに代表されるデジパチの事をCR機と言うのは間違いであり、「CR機」に対する名称は羽根モノ、チューリップ台などではなく「現金機」である。事実、現金機のイメージが強い羽根モノ機でも、現在は「CR~」の接頭語を持つ機種も少なくない。
[編集] 概要
パチンコホールと言えば、今も昔も脱税の温床となっているのが実情である。その脱税対策を建前として、プリペイドカードによる売り上げ管理が有効とし、1990年代に「当局の指導」という名目で急速に普及した。
- 東日本を地盤としたパッキーカードを販売する日本レジャーカードシステム株式会社の出資者に警察の共済組織「たいよう共済」があり、警察組織のエゴ、天下り先の確保のためのゴリ押しと見られても仕方ない面がある。
CR機導入当初は、ホール内の販売機でプリペイドカードを購入後、パチンコ台横のカードリーダーに差し込んで遊技するのが主流だったが、残高が無くなった場合その都度席を離れなければならないことや、券売機の前で行列ができることがある、といった不便さから、今でもこのシステムで営業しているホールは大都市ではまず見かけることがなくなり、地方都市を中心にごく少数派となってしまった。
現在、殆どのホールでは、わざわざプリペイドカードを事前に購入しなくても、紙幣(一部に硬貨も受け付けるものもあり)をそのままパチンコ台横の挿入口に差し込めば遊技できるようになっている。二千円以上の高額紙幣に対応した挿入口を備えたホールも増えつつあり、高額紙幣を投入して残高がある場合は、残高が記録されたICカード(ホールによりICコインやICスティック)が出てくるようになっている。
CR機導入の際には、コスト増(他に、脱税しにくくなるといった部分も)への懸念から、パチンコ台メーカー、ホールともに反対意見が相次いだが、パチンコ台に確率変動機能の付加を許可する事を条件に、CR機導入を促した経緯がある(現金機では時短のみ)。ただ、上記のように、現金を台横の挿入口に差し込んでいるホールが主流となっている現状では、その差別化はあまり意味の為さないものとなっている。
CR機には、本体に直接読取装置が付いている物と、外部の読み取り機を接続する物がある。また、内規により型名の先頭は「CR」とするようになっている(「CR新海物語」など)。
[編集] 歴史
最初にCR機が登場したのは1992年、京楽より発売された「CRフラワーショップ」という機種である。しかしながらCR機登場後しばらくは、全体的にヒット機種もないまま販売台数もさほど伸びず、各メーカー、ホールとも様子見気分が強かった。そうした状況が一変しCR機が爆発的に普及するようになったきっかけは、1993年の「ダービー物語事件」である。この事件により、現金機の連チャンが厳しく規制される一方、CR機の普及を図りたい当局は、CR機に限って確率変動などの連チャン機能を認め、現金機の取り締まりを行った。その結果、営業に影響がでる店舗や、メーカーである平和から逮捕者がでた。
この年、西陣より発売された「CR花満開」は大ヒットを記録し、CR機は現金機にとって代わることとなる。「CR花満開」は現在見られる確率変動とは大きく異なり、保留玉連チャン、数珠繋ぎ、確変など何でもありのスペックで、激しい爆発力が特徴であった。その後も、連チャン率90%を誇る「CRビッキーチャンス」を筆頭に過激台が次々と登場するようになると、今度は射幸性の高さが社会問題となった。
CR機を語る上で避けて通れないのが「偽造カード」問題である。これは使用済みプリペイドカードの磁気情報を改ざんし、再度遊技できるように偽造したカードのことで、都会のパチンコ街では外国人などによる偽造カードの露商風景が日常的に見られた時期もあった。当初はパチンコ店もこうした偽造カードの摘発に力を注いでいたが、そのうちパチンコ店自らが偽造カードを使って売上を増やす犯罪が増え、大きな問題となる。
CR機で客が遊技すると、その情報はいったんプリペイドカード会社に集められ、どの店でどれだけ売上があったか詳細にわかる仕組みであり、パチンコ店にはその売上に応じてカード会社から売上金が振り込まれるシステムであった。この仕組みに目をつけた一部のパチンコ店は、閉店中などに自店の台で偽造カードを使って架空の売上を計上するようになる。しかしこの方法では、店内で売れたカードの枚数と、台で遊技したカードの枚数との誤差が大きくなるため、自店内で正規のカードを購入し、これを偽造カードの集団に売りさばく手法をとっていた。これにより、偽造カードといっても本物と全く同じものが流通するようになり、事態は複雑化した。こうした手法により、95年にはカード会社の被害額は600億円以上にも及んだ。
こうした事態を受け、96年には5000円、1万円券の高額券を廃止するなどの措置がとられ、その後、地域別カードの導入、ID管理化といった不正対策が施されて現在に至っている。
[編集] パチスロのCR機対応
パチスロについてはかつてCR機能が試験的に導入されたことがあったが、当時は普及せずに終わった。しかし2004年に改正・施行された機械規則において、全てのパチスロ機にCRユニットと接続できるインタフェースを備えることが規則に盛り込まれたことから、2006年にはアビリットがパチスロ版CR機の第一弾として「CSスロ原人」を発売するなど、パチスロにおいてもCR機化への動きが始まりつつある。
なおパチスロにおいては、パチンコとの区別のためにカード対応機のことを「CS(Card Slot)機」と呼ぶことが決定しており、今後発売される対応機種(5号機以降)には全て型式名の先頭に「CS」が付けられる。(ただしパロットは遊技にパチンコ玉を使う関係上、型式名の先頭はパチンコ機同様「CR」となる)
ちなみに4号機にも一部「CR~」の接頭語を持つ機種が存在するが(「CRすーぱー福の神」(山佐)など)、この場合は「パチンコのCR機のような確変機能を搭載している」という意味で使われており、特にCRユニットとの接続が可能になっているわけではないので注意が必要である(「CRすーぱー福の神」の保通協における型式名は「センリョウバコ2003」となっており、型式名に「CR」も「CS」も付いていない)。