L字型画面
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L字型画面(エルじがたがめん)とは、テレビの通常放送の画面に字幕情報をアルファベットのLの字の形(鉤括弧)のようにして見せる画像手法のことである。
番組で表示する字幕などから邪魔にならないように、放送されている映像を縮小、余白部分に情報を提供する。余白部分がL字であることからL字型画面と呼ばれるようになる。デジタルハイビジョン放送の画面サイズに考慮してU字型画面を採用することもある。また、画面下に1行の字幕表示をする「ティッカー」と呼ばれるものもこれにあたる。
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[編集] 実施例
一般的に採用されている事例としては大規模な国政選挙(衆議院、参議院選挙)や、自然災害(台風、地震、集中豪雨、豪雪など)、あるいは国際情勢で特に重大な項目(戦争や大規模紛争、その他重要な事件が発生した場合)などが挙げられる。NHKはよくL字型を利用する。国政選挙の場合は各政党・政治団体の得票数、与野党の得票グラフ、あるいは新規当選者の告知などがある。また自然災害の場合は、警報、被災地の現状、ライフラインの復旧状況、交通情報などを字幕情報で提供することが多い(海外向けNHKワールドでも国内と同時放送を行う関係からそのまま字幕情報を挿入するための青色スペースはそのまま流れるが、海外向けの放送では警報、被災地の現状、ライフラインの復旧状況、交通情報などの字幕情報は一切表示していない)。一般には関連番組との連動で、コマーシャル中は基本的にそれを行わない。
最近ではドラマやバラエティー番組の放送中に表示されることも多くなっている。台風接近時には常に視聴者のニーズがあるため、深刻でない場合は特別番組を放送せずにL字型画面での情報提供で済ませる場合もある。国政選挙投開票日の日曜ビッグバラエティ(テレビ東京)でL字型画面で開票状況を放送する。
NHKの総合テレビ、衛星放送などではニュース+野球など通常放送の画面との併用をする場合もある。BS1では大リーグなどのスポーツ中継の場合、11時25分ごろからの「東京マーケット情報(株式市況)」をスポーツ中継の中でL字型画面で表示するか、BS2で振替放送を行う。過去にBSニュース50でも同様の事例があった。また日本テレビとテレビ朝日の野球中継で次番組の番宣として一時的にL字型画面になる。
サンテレビ(兵庫県)では2005年1月まで早朝放送を開始する前のフィラーとして天気予報とともに放送した。放送開始時間の繰り上げに伴い終了。
[編集] ニュースチャンネル
ニュース専門放送局ではブルームバーグテレビジョンが常時L字型画面で株価やニュースを放送するほか、日テレNEWS24(土日祝日およびBS日テレと日本テレビの地上デジタル放送でのフィラーではL字画面はなし)、TBSニュースバードの月曜~金曜の22時30分~23時00分と23時30分~24時00分で実施。L字型ではないが朝日ニュースターでも一部の番組で実施。日経CNBCは画面下に2行分のティッカーを表示している。
[編集] 海外の場合
日本ではL字型が多数を占めるが、海外ではL字型は少数派。通常のニュース番組などで登場するのは、画面下の1行に表示する「ティッカー」(或いはニュースティッカー)が主流。そもそもティッカーが表示されることを踏まえた画面構成となるので、日本のように映像の縮小などは行わない。ちなみにNHKワールドTVでは「おはよう日本」など一部の番組でティッカー表示を行っている(2007年3月現在日本時間で7:00~17:00の「NHK BSニュース」終了まで随時表示。ティッカー表示の背景色は青だが、臨時ニュースがあった場合背景色は赤に変わる。通常は英語のみだが、緊急時には日本語と英語が交互に流れることもある。日本国内でもNHK BS1の「きょうの世界」でも同様に一部時間帯でティッカー表示を行っている)。L字型を採用しているのはブルームバーグやイギリスのスカイスポーツニュースなど。